まず、主人公はカメレオン。カメレオン俳優と呼ばれるジョニー・デップがカメレオンの声を担当するという洒落っ気は楽しい。ストーリー的には、人間に飼われていたお調子者のカメレオンが、冒険を通してニセモノの勇者からホンモノへと成長してゆくという、「サボテン・ブラザーズ」や「ギャラクシー・クエスト」の系譜に連なる作品です。 マカロニ・ウェスタンへのオマージュたっぷり。超クローズ・アップはセルジオ・レオーネの十八番だし、音楽は「インセプション」のハンス・ジマーが担当していますが、しっかりエンニオ・モリコーネ風にしています。そもそも、ランゴという名前だって、「続 荒野の用心棒」の原題「ジャンゴ」のパロディですよね。また、要所要所に登場し、ランゴの運命を歌う4匹のマリアッチふくろうの歌が、いいチャーム・ポイントになっています。 ハイライトは、ランゴがホンモノの勇者となる為に、その名も“Spirit of the West(西部の精霊)”に出会うシーンでしょう。何しろそれは、ゴルフカートに乗った“クリント・イーストウッド”なのだから。ランゴは彼に出会う事によって、本物の西部男の生き様とは何かを考え、いよいよ自分自身の物語を歩みはじめる。“ヒーローになれ”彼の言葉を受け止めて、ランゴが知恵を巡らせ巨悪に立ち向かうクライマックスはまさに痛快。