こころならずも、ビルマ(ミャンマー)の民主化運動に巻き込まれた女性の必死の逃避行を描いたド迫力の反戦映画。最初は割と緩やかに進みますが、中盤以降の逃走が始まってからは息を呑む展開で、特に主人公の女性が反政府組織のリーダーを助ける為にとる行動は凄まじい迫力で、普通だったら諦めてしまいそうなけが人を何とか助ける所などは本当に圧巻。観ている人間までへとへとになるぐらいの怒涛の描写の連続で観ているだけでも疲れるという人もいるかもしれないほど。街中でのデモと軍の衝突、タイ国境を抜ける際の爆撃シーン等、凄く圧巻。しかも娯楽映画にありがちなご都合主義の「逃げ」が全くなく最初から最後まで手抜きなしで正攻法描ききったのには驚くほかない。政治的な部分もあるけど、演出の手腕で「これが現実だ」、というような独善的押しつけもなくあくまで映画として観られるようにしている所も素晴らしい。ラストの主人公の台詞は一生心に残るであろう余韻を感じ、泣きました。監督、俳優、関わったひと全てが後に自分の代表作に挙げるであろう反戦思想のメッセージを持つ圧倒的な作品。なお、こんな映画がビルマで撮影できる訳もなく殆どのシーンはマレーシアで撮影が行われたそうです。個人的には傑作とされている「キリングフィールド」も超えたと思っています。実話だそうですが、本になってたら読んでみたいですね。
蛇足ですが映像特典が少ないのがすこし残念でした。