このオペラのフリーメーソン的な世界観を強調しすぎた印象です。確かにリプレットはそう解されて仕方ない側面があるのですが....
友愛に満ちた群衆の扱い方は少し異様で、特典映像で一見「カマ?」とも見受けられる演出家が登場して合点がいきました。
バレを現代バレエにした点も面白いけれど、宮廷オペラにおける娯楽と近代的な個人の芸術的創造には懸隔があり、妥当かどうかは大いに疑問です。この演出では奇抜な読み替えが見られないだけに、読み替え演出だというのも少し強引な気がするからです。ラモーの音楽に合わせて振付けてはいるけど、音楽が想定しもしなかったような動きが結果的に様式を崩しています。
花とりどりの冒頭から象徴的で美しい舞台が続きます。ただオペラ座の広すぎる舞台がバロックオペラにはふさわしくない面も否めません。
クリスティの演奏は模範的だし歌手も揃っている、またいわゆる現代的なオペラ演出としてのアイデアや手練手管は相当のもの。つまり演奏・演出共に非常に高水準なのは認めざるを得ないので★五つにせざるを得ませんでしたが、同じバロックオペラでもマルゴワール=フィスバックの「アグリッピーナ」の様に「文句のつけようもない」とまではいきませんでした。