このアルバムを初めて聴いたのはロンドンパンク勢興隆より後、テレビジョンよりもさらに後のこと。ピストルズよりも衝撃、いや笑撃的でさえありました。何故ならロンドンパンクの先入観から外れた音の羅列だったから。音楽的な攻撃性や歌詞のメッセージ力にこそ、パンクのカテゴリーとしての認識をしていただけに、それとは次元の異なる一種飄々とした歌と短い歌詞、単純ながら奥深いビートに「パンク」と決め付けて聴くことの間違いに気付かされたものでした。
後に観た動く彼らの映像、その計算された様にシンクロするステージアクションや、冗談としか思えないメンバーの名前に、今ならお笑い芸人もどきのファッション。そう彼らはパンクである以前にあくまでラモーンズでしかなかったのでした。この驚くべきラモーンズサウンドは多少のブレはあっても、このファーストから金太郎飴のように首尾一貫したもので、その意味で本作は素晴らしく完成されたデビュー作と言えます。ロネッツのBe My Babyのロック的進化がうかがわれれるI Wanna Be Your Boy Friend, がなぐり捨てずに歌う「野球のバットでぶん殴れ」の渇いた軽い歌唱やブンブンビート、その普遍性には感動するばかりです。