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ラムラム王
 
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ラムラム王 [単行本]

武井 武雄
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

おとぎの国の王様、武井武雄のナンセンス・ワールド。ほんとうの“生まれがい”ってなんだろう…不思議で奇想な物語。日本児童文学大正ルネッサンス期に生まれた幻のおはなし。

内容(「MARC」データベースより)

空の西の方に不思議な星が現れた時、エッペ国の貧乏な家で途方もなく長い名前の男の子が生まれました。略してラムラム王、王と言ってもそれは名前の一部でしかありません…。大正15年刊の挿し絵をそのまま使用した童話。

登録情報

  • 単行本: 156ページ
  • 出版社: 銀貨社 (1997/12)
  • ISBN-10: 4795287627
  • ISBN-13: 978-4795287624
  • 発売日: 1997/12
  • 商品の寸法: 18.4 x 13.4 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By Schizo
形式:単行本
諏訪の友人に岡谷のイルフ童画館に連れていってもらい、はじめてラムラム王とその作者を知りました。表紙のラムラム王の、なんともいえないバカっぽさに惹かれて購入。

主人公のラムラム王が自分の「本当の生まれがい」をもとめて旅をする、というくだりはメーテルリンクの『青い鳥』にも通じますが、チルチルとミチルが幸せの青い鳥を懸命に探すのにくらべ、ラムラム王には切迫感のかけらもありません。散歩にでも行くように、ふらりと旅に出る。その脱力ぶりが本書の妙味です。
旅の道すがら、気の弱い魔物や「みみずく、みみずく」と叫ぶ十八センチの小男などへんてこなキャラクターが可愛らしい挿絵とともにあらわれますが、いちばん強烈なのはやはりラムラム王。窮地におちいったら得意の変身術で珊瑚のろくろやゴム人形に化け、周囲を煙にまく。ときに優しく、ときに偉そうにふるまい、生来の悪がしこさで相手をギャフンといわせるさまはまるで一休さんのとんちみたいで爽快です。
また、ピーコピーコと鳴るろくろや海の上をポカリポカリと流される場面など、ゆたかな音声がおどるように鳴っているのも楽しい。ラムラム王のながったらしい本名には笑わされました。
印象的だったのは、大きな魚に呑みこまれることを小さな魚が受け入れる、という詩人ソログープの挿話。強者をまえにしてみずからが弱者であることを静かに引き受けるというのはかえって力強い選択でもあり、ニーチェの力への意志や永遠回帰の世界観にもつながる気がします。そしてその光景にラムラム王はおかしさを感じて吹き出してしまうのだけど、もしラムラム王が作者の変身願望のあらわれだとするなら、やはり作者も生への意志や「本当の生まれがい」を笑いながらに希求した人だったのでしょうか。

大正時代の作品だそうですが、奇想な物語と幻想的な挿絵に、まるでドイツのメルヘンを読んでいるような気持ちになりました。
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