英国首相、往年のロックシンガー、11歳の少年、等々、著名人・庶民を問わず年齢も関係なく、他人に好意を寄せるという共通項で括って「実は世界は愛にあふれている」ってサラリとコメディー仕立てで、でも胸を暖かくさせてくれる映画。
クリスマスがモチーフになっているけど、1年中いつ観ても気分良くなれます。
オムニバスを登場人物で絡ませていくっていうのは、映画的なんだけど恋愛ものではほとんどお目にかかれない。この映画がうまくいったのは手練手管や駆け引きの要素が入る恋愛ではなく、それより大きな愛情で括ったからかも。アメリカ人やフランス人には撮れなかった映画、という気もします。日本人に感性が近いんじゃないでしょうか。
みんな普通の人たちなのに、どうしてこうもハートに訴えかけてくるのか不思議に思って考えてみると、全員、潔いからかなあ、と。愛情を示すのに全員がどこかで踏ん切りをつけてる。実生活ではなかなか踏ん切れないし、この映画の登場人物もそうなんだけど、最後に思い切っているところに感動するんではないかと。勇気づけられる映画でもあります。
恋愛そのものは成就しない人物も何人か出てくるんだけど、それでも悲しい終わり方にならないのは、あえて自分で択んだ結果だから。
登場人物の一人が、イブにクリスマス・ソングを唄うラジカセを持って「充分だ。報われた」と自分に語りながら街中を独り歩む姿にジーンときました。
観るなら日本語の吹き替えの方がおススメ。上述の台詞が字幕だと「充分だ。これで充分だ」になっちゃう。原語は"Enough. Enough now."そのシーンで吹き替え訳の方がいかに卓越しているかは観れば一目瞭然。
メイキングとか付録も逆に興醒めなんで、観る必要なし。