独特の味わいが話題となっていた傑作ラブコメ「ラブロマ」が5巻にて完結しました。本作は「直球」という言葉でよく表現されるように、星野くんと根岸さんという高校生カップルの恋愛を、これでもかというほど真正面から描いた作品です。
ほぼ「恋愛」のみを扱いながらも、全くと言っていいほどナルシスティックな部分がないところはこの作品の大きな特徴だと思います。それは星野くんの恋愛に対する妙に理論的な姿勢と、それゆえに奇行に走ってしまう星野くんへの根岸さんのツッコミという掛け合いが、気恥ずかしいくらい真っ直ぐな恋愛ストーリーを中和する形になっているからだと思います。星野くんのキャラクター造形はかなり極端なものなのですが、それでいてコメディではあってもパロディ的な部分は皆無というバランスがすばらしく、ラブロマンスとして、青春物としての透明感は抜群です。星野くんの恋愛に対する奇妙な理屈っぽさと全編に漂う心地よい空気感は、川原泉、清原なつのといったある種の少女マンガのテイストを感じさせますし、奇抜な要素と直球な恋愛ストーリーという組み合わせは「恋愛ディストーション」に通じるものがあります。
物語の閉じ方も、全5巻というボリュームも非常に「ラブロマ」らしくて良かったと思います。未読の方は是非この機会に通読してみてください。