正直に白状する。帯にある若くて美人の著者の写真とタイトルだけで衝動買いしてしまった。こういう不純な動機で買う人もいるから、一定数は売れるだろう。満員電車で読むのはちょっと気が引けたけれど。
数少ない先人の研究資料をもらったり、関係者の応援をもらったり、挙句、なぜかノーベル物理学賞受賞者の小柴教授にまで励まされただけあって、それなりに面白く仕上がっている。
ただ、いつの間にか、自分もすれっからしのおじさんになってしまったからなのかもしれないが、わざわざページ数割いて説明しなくてもそれはそうでしょう、と思う記述は多かった。また、研究対象の性格を考えると仕方のないことではあるが、統計やデータは少ない。そして、設計者や経営者の声は多く収めてある一方で、これもやっぱり仕方はないのだけれど、利用者の声というのはあまりない。ただ、間接的な形で日本人の戦後の息づかいのようなものは感じる。
結局、美人女学生がラブホテルの研究をしたという衝撃と、それにまつわるエピソードが一番興味深かったので、星を4つ。周防監督あたりにプロデュースしてもらって、研究にまつわるエピソードと様々なラブホテルをめぐる物語をうまくまとめて映画にしても面白いかもしれない。それにしても、ラブホテル業界は良い研究者を女神として得ることができたと思う。男がこの本を書いても、あまり売れないだろうから。