最初から暗い画面、わざとらしい変な撮り方、変な音、画面とずれた独白みたいなセリフにびっくりします。自意識過剰の自主映画みたいなんですけど、妙に面白かったです。怒る人もいるかも知れませんが、私は気に入りました。そういうわざとらしい演出がこの話にぴったりきているように思いました。
永瀬正敏の殺し屋と、それを追う岸部一徳と新井浩文の殺し屋コンビの話に、両親が無理心中で死んだばかりの宮崎あおいの話が絡んでいくのですが、永瀬はときどき幻想と思われる巨大なカメと話をするし、急に分身が登場したりします。脳内ワールドです。
どちらかというと甘ったるいストーリーなんですが、脳内描写が緩和してくれて、なかなかそのバランスが良かったです。くさいセリフを脳内描写のヘンテコさが救ってくれます。
役者もいいです。特に岸部一徳はこういう役が上手いです。ウソくさい役を魅力的に演じているので感心しました。こういう役は演技力とか何とかより、存在感がないと難しいですね。
宮崎あおいは可愛らしいんですけど、何せ画面が暗いので顔がよく見えません。この暗さをわざとやっているとしたら凄いですね。野村宏伸に襲われる場面なんかの演出は全然ダメで、ときどきこうしたダメな場面があるのですが、いい場面もありました。
森の中に燃えた自動車が突然現れて、そこで永瀬と岸部一徳が対決するラストはとても素晴らしかったです。ここで終わってくれれば良かったのにと思いました。その後の変な付け足しは不要です。あの森の中の場面で全部、伝わってきますから。でも、ラストがいい映画なので、見て損はないと思います。