きっと現実ばなれした陳腐な物語なんだろうと、なかなか手を出さずにいた映画でしたが…
やられました。映画で滅多に泣かない私が、ジュヒが川原でジュナの遺品を渡されて号泣するシーンでいつのまにかいっしょに泣いていました。それ以来韓流映画にはまったのですが、いろいろ観ても、恋愛ものではこれが一番好きです。
俳優の演技、ストーリー、演出、映像、音楽、すべてにおいて完成度が高いです。主題歌のシンプルで美しく切ない調べはあとあとまで心に残ります。また、韓流映画ではクラシックをよく使うのですが、この映画でもパッヘルベルのカノンやヴィバルディのチェロ協奏曲などがとても効果的に使われています。また、冬枯れた田園風景、夏の夜の幻想的な蛍のシーンなどの牧歌的な風景は、思春期の純愛をより一層美しくひきたてていました。
チェ・スンウさんの演技力には泣かされました。彼は華やかな美男子ではありません。しかし、その豊かな表情を駆使してほんとに真に迫る感情表現を見せてくれました。ほほえんだときの無邪気さ、ヒロインを見つめるときの一途さ、誠実さ、彼女を思い切ろうと決意したときの言い知れぬ哀しみ。「僕の取り柄は君を好きになることだけなんだ」と、雨に打たれながら訴える彼の台詞には泣きました。そんなにまで愛していたのに、一度は親友のために、そして二度目は彼女自身の幸せのために、彼は身を引くのですけど。
ラストのオチは、なかなか素敵ですが、私的にはこのオチがなくても十分感動できました。しかし、いかにもこの監督らしい爽やかなオチになっています。
お薦めの韓流映画は?と聞かれたとき、ヘビーなものが好きな方には「殺人の追憶」か「オールドボーイ」を、感動ものが好きな方には、この「ラブストーリー」を薦めています。