私が初めて聴いた、この曲の演奏はラフマニノフと交流があって、ラフマニノフ演奏に関しては評判の高かったオーマンディがフィラデルフィア管弦楽団を指揮したものだった。当時は、その演奏がもっとも甘美で優れていると言われたものだ。その後、いくつかの演奏を聴いてきたが、このゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団の演奏は久々にそれを凌ぐ素晴らしい、感動的な演奏である。ロシア的な情緒をうまく込めて、かつ引き締まったラフマニノフを聴かせてくれる。有名な第3楽章「アダージョ」も楽譜通りのテンポによる、現在手に入るCDのなかでは「最もロマンティックで甘美な」演奏だ。ラフマニノフが好きな方、ロシアの作曲家による音楽が好きな方には是非聴いていただきたい模範的演奏だと思います。
でも、個人的には、一番のお気に入りは「スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団」による「ラフ2」です。スヴェトラーノフの指揮する「ラフ2」の第3楽章は「アダージョ」ではなく「アダージッシモ」です。通常12分程度で演奏されますが、スヴェトラーノフは17分かけて演奏します。テンポが遅くても間延びせず身体に染み渡る音楽を聴かせてくれます。現在はロシア国立交響楽団による演奏(PONY CANYON)は入手が難しいようなので再販売待ち。N響を振ったサントリーホールでのライヴ録音(KING)が比較的容易に入手できます。ラフマニノフが好きな方は、スヴェトラーノフの「ラフ2」も是非聴いてみてください。(どちらにもレヴューを書いていますので、関心のある方は参考にしてください。この演奏が★★★★★(★5つ)だとすると、スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団の演奏は★★★★★★★(★7つ)というのが個人的な意見です。)ちなみに、アニシモフ指揮アイルランド国立交響楽団の演奏(NAXOS)もお奨めです。第3楽章の「アダージョ」はスヴェトラーノフの演奏に劣らず、遅めのテンポでロシア情緒あふれる名演で素晴らしいです。