新たなDG-BEST100シリーズとしてSHM-CD化され、さらに定価が安くなったので購入しました。私は通常盤を所持しておりませんので、SHM-CDと通常盤の違いについての評価は他の方にお任せします。
<演奏について>
ツィマーマンがDGとこの曲の録音契約を交わしたのが1976年。そして、録音が実行されたのが1997年(第1番)と2000年(第2番)ですから、実に20年以上かけて練り上げられた演奏だということなります。
ツィマーマンといえばショパンのバラードに代表されるような繊細で究極美の音が特徴的ですが、ここではそれとは対極をなす骨太な音が堪能できます。特に第2番の序盤では、地面の下から突き上げられたような、リヒテル以上の凄まじい轟音を聞かせてくれますが、それがあまりに洗練された音であっけにとられます。こういった音は未だかつて聞いたことがありません…。
小澤率いるボストン響も素晴らしい。弦楽器では、軽やかでキレのいい音ではなく、重厚で深みのある音によって存在感を出しており、管楽器は気持ちいいほどよく鳴っています。何よりも、ツィマーマンの独特なテンポにきっちり合わせることができているのは、両者の間でかなりの時間を割いて入念な意思疎通が行われた証拠だと思います。特に、第1番のオケは歴史的名演といっても過言ではないくらいの素晴らしい出来栄えで、今まで聞いた第1番の中では最高の演奏です。
<録音について>
この盤は、録音のバランスに賛否両論あるようです。私としては「ピアノの音量が大きい個所もあればオケの音量が大きい個所もある」というのが結論で、喧嘩をしているというより、目立たせる個所を明確に分けて、分かりやすく表現しているような印象を受けました。
また、この盤はオーディオ環境によって、ピアノとオケの音のバランスが極端に変わります。ここでオーディオ環境の詳しい議論をするつもりはありませんが、低音重視の環境だと最もバランスの良い演奏として聞こえました。もし、音のバランスが気になった方は、色々な環境で聞いてみることをオススメいたします。