小学生の頃に放送されていたこの作品を見て、以来十数年。このラビリンスは私の映画人生と心の支えでした。思春期の少女が大人の女性へ成長していく様を見事に表現しているだけでなく、「セサミストリート」でお馴染みのジム・ヘンソンが監督だけあり、細部にまで神経をやったマペット達の躍動感。本当に生きているようです。技術なら現代の方が進んだ分よりリアルなのでしょうが、このオリジナリティや匠の域に達した手作りによるマペット達はもう今の人では作れない「情熱」と「夢」が詰まっています。また、幼心だったにも関わらず魔王の魅力は抗いがたい引力があり、小さかった私は人目で魔王の虜になってしまいました(笑)妖しくサラを誘い罠に嵌めようとする狡猾さも、ゴブリン達と陽気に歌い踊る様も、またサラとの舞踏会での逢瀬で見せた切なくどこか真剣な表情も全てが素敵でした。そしてサラのメランコリックな瞳、ダーク・ブラウンの美しい髪、誘惑的な唇、この世の中にこんなにも美しい人間がいるとは!そんな衝撃を当時受けました。サラの成長だけでなく、魔王のサラへの愛情がやはり、ただの成長ドラマではない、ロマンティックで少し切ないファンタジーとして素晴らしい作品に仕上がっていると思います。