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ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書)
 
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ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書) [新書]

木村 榮一
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

インディオがのこした伝承と、ヨーロッパの近代をともに腐葉土としながら、夢や魔術と苛酷な現実とがふしぎに入り乱れる、濃密な物語を紡いできたラテンアメリカ。ボルヘス『エル・アレフ』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』、バルガス=リョサ『緑の家』、そして? 翻訳の第一人者として知られる著者による、待望の作品案内。

内容(「BOOK」データベースより)

インディオたちがのこした伝承とヨーロッパの近代をともに腐葉土としながら、夢や魔術と苛酷な現実とがふしぎに入り乱れる、濃密な物語を紡いできたラテンアメリカ。ボルヘス『エル・アレフ』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』、バルガス=リョサ『緑の家』、そして?翻訳の第一人者として知られる著者による、待望の作品案内。

登録情報

  • 新書: 192ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/2/19)
  • ISBN-10: 4004312965
  • ISBN-13: 978-4004312963
  • 発売日: 2011/2/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By Sebastian Flyte トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
ラテンアメリカ文学にある程度親しんできた者であれば、木村榮一の名を知らぬ者はいないだろう。著者は、日本におけるスペイン語圏文学翻訳の第一人者である。その木村氏が選んだ「ラテンアメリカ十大小説」は次の通り。

・ボルヘス 『エル・アレフ』
・カルペンティエル 『失われた足跡』
・アストゥリアス 『大統領閣下』
・コルタサル 『石蹴り』
・ガルシア=マルケス 『百年の孤独』
・フェンテス 『我らが大地』
・バルガス=リョサ 『緑の家』
・ドノソ 『夜のみだらな鳥』
・プイグ 『蜘蛛女のキス』
・アジェンデ 『精霊たちの家』

各章は、上記作品の一部引用で始まり、その作家のこれまでの経歴、作品についての小論、それ以外の代表作の紹介で構成されている。ちょっとした文学史ともいえるだろう。

若い人にも読んでほしいという著者の言葉からもわかるように、です・ます調で書かれた文章は非常に読みやすく、目線をあえて初心者に合わせているところが好ましい印象を与える。このことは入門書の基本であるといってよいかもしれない。また、ラテンアメリカ文学にとどまらず、他国語の文学についても言及され、その柔軟な筆致にぐいぐいと読まされる。例えば、フェンテスを論じた章では、さりげなく小川洋子の『博士の愛した数式』の話から始められていたりする。そのほか、司馬遼太郎、開高健、ラフカディオ・ハーンなど、日本人により馴染みのある名前を挙げながら、初心者が自然に興味を持てるような配慮がなされているところもすばらしい。

ラテンアメリカ文学のコアな読者であれば、物足りない部分もあるのかもしれないが、初心者の一人である私にとっては十分すぎるくらいの内容であった。個人的には、アジェンデの章の最後に、ちゃんとロベルト・ボラーニョについて触れてくれているのがうれしい限りである。

上に上げた10作品のうち、唯一フェンテスの『我らが大地』が未邦訳のようだ。非常に面白そうな作品である。近いうちに、著者による邦訳が出るのではないかという予感を勝手ながら持った次第。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
買いです。 2011/2/24
最近もエンリーケ・ビラ・マタスの「ポータブル文学史」の翻訳を出されたばかりの木村榮一氏の、モームの範に倣った「ラテンアメリカ十大小説」と題された入門的な一冊です。「十大」と冠されるだけあってここで紹介される作品は、いずれも「篠田一士好み」とでも言いたくなるような長大で読み応えたっぷりなものばかりなのですが、著者はそれらの作品を作者の作家としての在り方や生い立ち、あるいは自身の思い出などと抱き合わせながら、たいへん風通しよく紹介しています。最終章の「イサベル・アジェンデ」の項の最後では、「今後のラテンアメリカ文学を考えるとき、二〇世紀のような文学《ブーム》の再来はまずありえないでしょう」と書かれていますが、現代企画室や白水社をはじめ、新作の翻訳作業がなかなかどうして地道に続けられておりますので、あとは新潮か岩波の文庫でぜひとも本書巻末の「主な作品リスト」に挙げられている作品をラインアップしていただけたらと思いました。「リタ・ヘイワースの背信」なんかの入っている国書刊行会のシリーズは箱から取り出しにくくて、カバーが薄い上、そもそも型が変則的なので合うブックカバーがなく、本が傷むばかりです。
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12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ネモ トップ100レビュアー
ほかのところでも書いたのだが、この手の本のポイントは、取り上げられた本を読みたくなるかどうか。
私自身は、未読の作品に挑戦してみたくなったし、再読したい作品も出てきた。
「十大小説」と言えばモームの『世界の十大小説』や篠田一士氏の『二十世紀の十大小説』を思い出すが、本書も同様な位置づけになるような気がする。

新書であり、入門書的な要素が強く、語り口も含め、かなり読み易い。著者を翻訳者としては知っていたが、冒頭の「序―物語の想像力」を読むと、ほかのエッセイを読んでみたくなるほど、うまく、思わず、引き込まれてしまった。調べてみると、釣りに関するエッセイなどを書かれている。

作家・作品がバランスよく選択されており、作品そのものの魅力だけではなく、それぞれの作家の生涯や文学的な背景にも目配りがきいてるので、入門書的と言っても、ラテンアメリカ文学についてかなり詳しくなれることは間違いない。

興味が湧いた人には、寺尾隆吉氏の『フィクションと証言の間で―現代ラテンアメリカにおける政治・社会動乱と小説創作』をお薦めする。ラテンアメリカ文学のさらにコアな部分に踏み込んだ労作である。寺尾氏は木村氏よりも30歳近く若い研究者である。
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