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18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
優しい視線の作品,
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レビュー対象商品: ラットマン (単行本)
<このミステリーがすごい!2009>の第10位にランクインした作品です。 人間が何かを知覚する過程で、 前後の刺激が知覚の結果を変化させてしまうことを 文脈効果といい、 その例えとして「ラットマン」の絵がある。 同じ絵でも、動物と並んでいると、ネズミに見え、 人の顔と並んでいると、おじさんに見えるのです。 この作品は「ラットマン」をキーワードに、 高校時代から14年続いているアマチュアロックバンドが 練習中のスタジオで遭遇した事件の顛末と、 そのメンバーである主人公の現在と過去が語られていきます。 ミステリーとしてのトリッキーな仕掛けは、 後半の60ページに二転三転しながら、 明かされていきますが、 この仕掛けを効果的にしているのが、 優しさです。 ラストになぜこの作品が「ラットマン」という 題名なのか判明しますが、 そこには救いがあります。 それは、作者が登場人物に 優しい視線を投げかけているからなのです。 単なるミステリーでは終わらない、 心のこもった作品という印象を受けました。
25 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
不思議な、しかし絶妙なタイトル名。,
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レビュー対象商品: ラットマン (単行本)
“ラットマン”、人間が何かを知覚する過程で、前後の刺激が知覚の結果を変化させてしまう現象に命名効果が加わることから起こるモノの見方のことを言う。そして、今作は、登場人物たちの各々の先入意識、思惑が錯綜し、“ミステリー”が構築されていく展開となっている。まるでホラー小説の如きケレン味溢れるプロローグから一転、それが実は高校時代以降アマチュアバンドを組み続けている者たちのライヴの余興のネタであった事が分かり、拍子抜けしてしまう出だしから、主要人物のバンド仲間との関係や日常が語られる中、彼の遠い過去の苛酷で忌まわしい“記憶”がインサートされていく序盤、ある事件が起こり、彼の関与を匂わせる中盤、そして、、、。 中盤までの展開は沈々淡々としているし、劇中起こる殺人事件も一件のみ、それも準備万全に計画されたものではない。さほど盛り上がりもなく、正直半信半疑で読み続けていたが、ここからが俄然面白くなってくる。 ミステリー小説ゆえこれ以上は触れないが、ラストの60ページを読み切った後、文中に仕掛けられた作者の巧妙なトリックに唸らされながら、正にその不思議なタイトル名の絶妙さに手を叩いてしまう。 ミステリーの奥に潜む主要人物たちの魂の救済とも呼べるサイド・ストーリーも、作品に“心”を持たせているし、読了感も悪くない。 新年始まって最初の面白ミステリー本とお薦めできるが、本の帯の惹句は些か過剰。文章のルビの多さとまわりくどさが気になるのと、今作者はまだまだこれからもっと面白い小説を書ける才人だと思うので、ここは★4つの評価。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
うまい!,
By 竜 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ラットマン (単行本)
実に用意周到に張り巡らされた伏線が、ラスト60ページで見事に回収されます 回収のされかたも秀逸です正直傑作かどうかは微妙ですけど、読んで決して損はない作品だと思います 「ラットマン」というタイトルとその言葉の意味が作中で語られ、人の思い込みへの注意を喚起して堂々と騙します宣言をしているにもかかわらずここまで意外な展開を用意できるのは凄いです 解けてしまうとなんでわからなかったかなあと思うのですが、全ての設定が巧みに計算され尽くしていて読者の盲点をうまく突いており、余程読みが鋭い方でない限り核心はわからないでしょう 確かに、どなたかがレビューされているように、狙いすぎな感も否めないし事件自体も単純で盛り上がりにも欠けます けれども、個人的には 騙された感を愉しむ小説として考えれば十分満足できる作品だと思います 登場人物も最低限で、余計なものを削ぎ落としているぶん素直に入り込みやすかったですし 道尾さんの作品には今のところ外れはないですが、今後もっと素晴らしい、紛れも無い傑作と呼べる作品を期待しています
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