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作者の2作目。
今の知名度でこの作品を出せば、もっと注目された作品だと思う。そのくらい完成度が高い。
自分に楯突く者を絶対に許さない、傲慢で拝金主義者の画商
独特のこだわりをもつ泥棒の黒澤
リストラに遭い、野良犬と仙台の町をさまよう豊田
お互いの配偶者の殺人を画策するサッカー選手の青山とカウンセラーの京子(彼女だけ姓がないのが一つのヒント)
新興宗教の教祖の解体に立ち会わされる河原崎
これらの5組にまつわる話が時間軸を上手に操られ、微妙にリンクしながら最後に騙し絵のピースのようにぴたりとはまる。初読の際にはこの見事さに感動すら覚え、各章に隠された時間についてヒントをメモしながら再読し、再度感動した次第である。未読の方は、是非、この「時間」ということに注意しながら読んで頂きたい。最後の驚きが倍増(は大げさかもしれないが)するはずである。
作品中の「展望台」や「好きな日本語を書かせる外国人女性」など、一見意味の無いようなエピソードの使い方もうまく、また作者独特の鮮烈で暖かみのある文体が完成度を高めていることは言うまでもない。
是非おすすめの一冊である。
作品中で展開する5つのお話だけでなく、他の伊坂作品ともうまくリンクさせてあります(これも伊坂さんの得意な手ですね)
よって、伊坂さんの作品を読んでいれば読んでいる人ほど楽しめる仕掛けがいっぱい隠されています。
こういう手って、一時期はやった映画的だな~と思います。
伊坂さんは映画好きで、映画から多くの影響を受けているらしいのでそれにはとても納得できますね。
いつまでも同じ手を使い続けられたらいつかは読者も飽きるかもしれないけど・・・。
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