明治時代には妖怪がとでも呼ぶべき人物がたくさんいたものだ。
本書冒頭に登場する,ロシア正教のニコライ大主教、明治天皇大葬の日に、妻とともに自刃した日露戦争の聖将乃木希典
浮雲の二葉亭四迷、『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』耽美的な作風の文豪谷崎潤一郎,
そして本作の主人公である、日露戦争での諜報活動で暗躍した,後の陸軍大将明石元二郎。
これらの人物が建設途中の神田ニコライ堂のドームのテッペンで一堂に会する。この趣向はもちろん風太郎翁の創作だが
彼らが同じ時代の心東京にいたのは事実なのである。
そしてラスプーチンである。謂わば,ロシアの道鏡であるが.幻影ばかりが大きくなって政治力はそんなにはなかったという説もある。
本名グリゴリー・エフィモヴィチ・ラスプーチンは帝政ロシア末期の怪僧怪人物。
20歳の時、サンクトペテルブルクに出りと、人々に病気治療を施して信者を増やし『神の人』と称さた。
それを背景にアレクサンドラ皇后に取り入った。その後、皇帝ニコライ2世に謁見。政治に口を挟むようになった。
反対する皇族や廷臣に疎まれ射殺されるがその直前、ニコライ2世に予言めいた言葉を述べる。
「私は殺されます。もし、私を殺す者が百姓であれば、ロシアは安泰でしょう。
しかし、もし、私を殺す者に陛下のご一族がおられれば、陛下とご家族は悲惨な最期を遂げる事しょう。
そしてロシアには長きにわたって多くの血が流れるでしょう」
というわけで、役者は出揃いました.あとはお読みあれ。