物語は妹を誘拐され家族が崩壊してしまった13歳の少年ジョニーとその担当主任刑事のハントの二軸で展開していきます。事件にのめり込むあまりこちらも家庭が崩壊状態。家庭が崩壊したときの大人の有り様、13歳の受け止め方が対比されているように描かれています。ハントが神経症的にのめりこみ被害者の母に個人的な感情を持って苦悩するのに対して、妹が帰ってくると頑なに信じて行動を起こすジョニー。母親は「あきらめる力をおあたえくださいますように」と神に赦しを乞うことしかできませんが、彼の信念は変わりません。
13歳の少年がどうしてこれほどの信念を持って行動することができるのでしょうか。壊れまくった大人たちに囲まれながらも軸をぶらさず考えられるのは、ネガティブな未来を考えない純粋さ、危うさを感じました。登場人物もそこそこ多く、残り少なくなる頁をめくりながらこの風呂敷をどう収めるんだ、と思って読んでいましたが見事な手際でした。
2010年年末には必ず年間ランキング上位に上がる作品だと思います。お奨めです。