皆さんのご意見拝聴すると故人の遺志を尊重して商売主義的にアルバム乱発してくれるな、この曲集も世に出してくれるな。
故人はそんなこと望んでいたわけではないのだから・・・とあるのですが故人の遺志って誰が分かるのでしょう。
逝去されてから雨後の竹の子同様乱発された発表物の中に、故人を思っての物と商業主義だけの物とどう区分するのでしょうか。
私自身はデビュー直前からのファンで恥ずかしながらファンクラブの会員ナンバーもかなり若い数字でした。
外見の可愛らしさは勿論、歌声特に時々トーンを落とした時の声がアイドルらしからぬ雰囲気を醸し出していて大好きでした。
成人して留学しその後は完全に忘れていました。10年前頃にオペラや舞台に転向されたと知り、彼女の歌唱力ならそこそこの地位を占めることが出来るのだろう、居場所出来たんだね、って少し嬉しかった記憶があります。
それは突然でした白血病で命が危ないという報道、退院した、再入院だ・・・10年以上忘れていた無慈悲なファンですがもの凄く淋しく、10数年ぶりにレコード探し出してデビューアルバム聴きました。
本作、一個人へ宛てた私信のような物なのは間違いないのでしょう。
皆さんのご意見の様に故人はあちらの世界で憤慨されているかも知れません。
でも、私は入院後に弱音を見せず凛とした姿で「私と同じ病気の人達の為に私が出来ることは歌うことしかありません。この病気が珍しい病気ではないこと、周囲の助けが必要な事を知って貰うには歌うことでしかできません。でももう二度とコンサートは出来ないかも知れません。」と語っていたのを印象深く覚えています。
隔離前は小児病棟で歌ったりしていたとも見聞した覚えがあります。
そういう彼女ならこの楽曲達を発表されることを煩わしいとは思わないのではないかと感じます。
本当のところ、美空ひばりも、ゴッホも写楽も「勝手なことぬかしやがって」と笑ってるかも知れません。
私自身、今心の病に罹患し働ける環境にありません。遣りたいことはある。勉強もしたい。
でも心が恐怖で希望の芽を摘んでいくのです。時々寝られないくらいに辛い。
でも勉強しなきゃと自習していたそんな環境で気張らしにi-Tunesで本作を見掛け背景とかも何も知らずに即購入してしまいました。
働けない状況の私ですから出費は極力避けなければなりません。大好きな音楽も購入よりレンタルが多くなりました。でも本作は試聴したら購入ボタンを押さずに居られませんでした。
今も涙が止まりません。
彼女の歌声に、極めて悪い録音環境で歌う歌声に、時々喉を詰まらせて水で潤しているのが感じられる間に、周囲を歩く看護師さんらしきスリッパの音から感じられるリアルな彼女の置かれた環境に、それでも歌うことを辞めない彼女に涙が止まりません。「月影のナポリ」ラストに残された彼女の笑い声が一層涙をそそります。「七つの子」なんて涙腺のダムをぶち壊してくれます。
私は基本的に和訳された洋曲(カテゴリー問わず)があまり好きになれません。
曲の流れと歌詞が合わなかったり、字面と曲のイメージが合わない場面が多いからです。
でも本作はそんなの関係ありません。
本田美奈子でなかったとしても、本作を試聴したなら購入していたと思います。
本作の発売に踏み切ってくれたご遺族や関係者の方へ感謝を申し上げたい。
何より本田美奈子さん、本当にいい歌を有り難う。
「いい音楽」に録音状況や環境なんて関係ないと教えてくれてありがとう。