画質はブルーレイとしては標準的だが、彩度が強くアフリカの暑苦しさが伝わるようなでき。
「お前と俺は同じだ」。アミンと主人公のスコットランド青年が同様の存在であることは内
容的に明らかである。アミンを帝国主義時代の列強諸国として、ウガンダをかつての世界の
植民地全体としてみれば、本作の意図することは容易に理解できる。
白人のまいた種(文字通り種をまいた)が原因で、ある場面においてありえないほどの残酷
シーンが出現する。ホラーが好きな人はどうかしらないが、私はこのようなシーンは苦手で
ある(あまりの衝撃でその晩は眠れなかった)。
だがこのシーンについて感じたのは、むしろ怖さよりも怒りだ。アミンに対してでなく、その
原因となった白人青年に対してである。(特典映像にあったが、事実としてはこれほどで
はなかったそうであり、原因も白人ではなかったそうだ。アミンの残虐さを伝えるために、
あえて残酷にしたのだという)
本作においてこの残酷をもたらしたものは、つまりは愚鈍で傲慢で欲深で無責任な白人男性
なのだということはすぐにわかる。
そして映画が終わるころ、さらに怒りを覚えた。これほどの罪に対し、与えられる罰はこの
程度なのかと? たしかにこの白人男は身も心もぼろぼろにはなる。強い贖罪の気持ちが芽
生えたのもわかる。でもこの程度か? こんなもんですますのか? 若さゆえの過ちですむ
ことなのか?
大英帝国などは、タスマニア島の先住民族をハンティング(人間狩り)で絶滅させたのだ
(絶滅原因には諸説あるそうだが、国連によると虐殺が主因という十分な証拠があるそうだ)。
その英国やかつての列強の歴史的残虐を考えると、贖罪の描写がこれですむわけがない。
こんなもんで勘弁してくれとでもいうのか? 黒人国家の殺戮はえがいても、自分たちには
この程度の鞭しか打てないのか?
鹿狩りくらいの気持ちで黄色い猿狩りに出向き、手ひどいめにあってすべてを失う映画が
かつてあったが、そこでえがかれた自省と比べると、本作のそれはいかにも底が浅い。