著者紹介を見る限りでは、著者は専門家ではなくテニス愛好家〜マニアックな素人さんのようであるが、強いショットを打つための動作原理を独学で言い当てている。結論としては、ラケットのスイートスポットとボールの正面衝突(ストレートショット)と運動連鎖によるスピン・ショットに対する全身のアプローチを、インパクトのある本著のタイトルのように逆転の発想として表現している。個人的には、このように自分で考える人が大好きであり、若い人にも見習って欲しいくらいである。指の握り込みによる加速も、知られてはいるが、独学で行き着いているところは驚きである。小生もバドミントン愛好家として参考になる部分があった。ただし、スポーツバイオメカにクスなどの専門用語や数式を省いているために判りづらい部分もある。例えば、スナップ(リスト・スナップ=手首の前屈?テニスでは回内のはず?)などの用語の使用や、内旋・外旋などの欠如、慣性モーメントの概念を使えば右手を伸ばせば背骨が回転の中心にならないことや左腕の引き込みを使うバランスの取り方、などが挙げられる。また、ラケットを持つ際のリストアップおよび回内・回外による衝撃に対する強さやトルクの向上、障害の予防に関する考慮も欲しかった。歴史的には、テニスがプロスポーツとして一番早くから科学的なアプローチがなされ、その成果が他分野に広がって行き、スナップではなく回内・回外、内旋・外旋運動の概念が野球だけでなく、バドミントン等のラケット競技にも広がって行ったはずである。しかし、これは校正がいい加減な自費出版的な出版社の編集責任であろう。専門家による校正があればもっと良い本になったかと思われ、残念な点である。それでもなお、著者の熱き思いは伝わってます!これを各プレーヤーによる考察の出発点としてもらえるならば、著者としても満足されるのでは。