映画としてはJazz giantsであるDexter Gordon、
彼自身の晩年の悲哀を語る、というものに尽きる。
狂言回し役のフランス人デザイナーが、有名人に群がるストーカーそのもので、薄気味悪い。
実際、この手の人たちを上手く利用していたミュージシャンは多かった。
Chet Baker なんてその典型で、映画の中でもChetの歌うレコードを主人公がしみじみ聴いている意味深なシーンがある。
内容そのものよりも、出てくるミュージシャンがそうそうたる面々。
狭い部屋で料理ばかりやっている不審な男、なんとヴァイブの巨匠Bobby・ハッチャーソン、いい味出している。
アカデミー作曲集をこれで獲得したH.ハンコック、洗練された見事なバッキングを聴かせる。
ギターの白人が誰だか分らなかったが、なんとJ・マクラグリンだとか。
ニヤニヤ、薄気味悪い笑顔のDrのBilly・ヒギンズ。
後半、出てくる童顔のTony Williams、彼も映画の後あっさり死んじゃった。
それにD・ゴードンがかすむ程の見事なペットのソロを空気を読まずぶちかますF・ハバート、彼も故人になってしまった。
主人公の世話を焼きつつギャラを巻き上げるデブの女将、実在の人物だそうだが、演じるサンドラ・フィリップス、
彼女の下品で迫力あるブルースも素晴らしい。
他にもW・ショーター、R・カーター、凄いメンバー。
映画はフランス人の勝手な思い込み過多で重苦しいが、なにせ出てくる面々で救われ、
何度見てもあきない。