これは日本の戦後音楽史に有名な歴史的事件、ジョージ・セル率いるクリーヴランド・オーケストラの来日公演の記録。実は小生の父も東京のどの演奏会かを聴いており、その時の衝撃を子供の頃によく聞かされました。そうした物語というのは実際の録音記録などを経過するとがっかりさせられることが多いのですが、これは違います! NHKの放送録音(本当は映像があったそうです!)で、残酷なほどクリアーにアンサンブルの細部が聴き取れるのですが、却って伝説のこのオーケストラの物凄さが圧倒的な形で迫ってきます。ライヴですから、所々アラはあります。それは当然です。現実のオーケストラの演奏は、どれほど凄いオーケストラでも完璧な演奏というのはそれほど頻繁にできるのではありません。そんなことが問題ではないほどの、素晴らしいコントロール、繊細さ、指向しているスタンダードの高さ。今日もなお、これほどのオーケストラ、これほどの演奏会は、まず絶無でしょう。演奏スタイルも、特にモーツァルトなどは一昔前のそれなのですが、そんなことはどうでも良いと思えるほど、素晴らしい。これが音楽、これこそが音楽、と言いたいほどの奇跡の記録。この当時、小生は三歳。これは生で聴きたかった!!!