セリーヌ・ディオンのとりたててのファンではない者からしても、そのキャリアが全盛期と思えた2003年に、彼女がショー・ビジネスの聖地ヴェガスで長期ショーを行う決心をしたと聞いた時は、驚きと共にその大いなるチャレンジに関心を抱いたものだ。結局ナマのステージを観る事は叶わなかったが、今回DVD化され、目にする事が出来るようになったのは喜ばしい。ショーは二部構成からなり、どちらかと言えば静的でしっとりと聴かせる第一部と躍動的でノリの良い第二部に分かれるが、セリーヌはオープニングから全開モードで、時に切々、時に力強く、“DIVA”の名に相応しい歌いっぷりで安心して聴き惚れれる。バックでは、ヴェガス界隈ではすっかりお馴染みのシルクド・ソレイユによるアクロバットにダンサーたちのパフォーマンスが繰り広げられるのだが、このステージが実にデカい。4階席から俯瞰で捉えたカメラでしっかり確認できるのだが、この奥行きの広さを生かした出演者たちの立ち位置や距離感に感心する。ヴェガス特有のダイナミックでド派手、SFXも使ったケレン味ある部分とセリーヌの女性らしい叡智さとしなやかさが見事に融合した感覚で楽しめるライヴになっている。