スタイルや流行に合わせる音楽は5年前だろうが、1年前だろうが
商品以外の効力を失うとたちまち色褪せてしまう。
普遍的な音楽には時代やスタイルに流されない作り手の特別な想いがある。
自己の思想や表現を、音や言葉に託し姿を変え
空気を振るわせる感覚までパッケージされ
時代や世代、果ては時空まで越え
ぼくらの胸に痛いほど、愛しいほどに突き刺さってくる。
40年、30年前の音楽だろうがその効力は色褪せる事はない。
17年前のこのライヴ盤もその類に入る。
車イスに乗り降臨したカート。
約1時間半のステージ、全25曲(主に1st,2nd)
クリスが最高のパフォーマンスだったと言う通り
リハビリ施設で約1ヶ月ドラックを抜いて降臨したカートは神がかっています。
驚くほど声が出ています。このクオリティーは圧巻です。
チューニングが合わず暴走したり。
ライブ終了後、気軽にサインに応じたり。
演奏なんてお世辞にもうまいとは言えないがカートだからこそ愛しい。
全25曲、息つく暇のないくらい全編がクライマックスですが
個人的なハイライトはやはりコートニーに対しての愛らしいMC。
観衆に「コートニー、愛してるよ」と言ってくれと呼びかけ
それに応える観衆。その後に繰り出される「All Apologies」のイントロ。
すべては魔法のような1時間半。あっという間に見終わりました。
ぼくはリアルタイムでジミヘンやジャニスやジョンレノンに接していません。
彼らの音楽に触れた時、既に彼らの音楽は進化する事なく
ただいつまでも普遍的な佇まいで鳴っていました。
そんなぼくにとってカートはリアルタイムで神であり
ライブ終了後にサインをねだる子供が言った言葉と同じく
カートはヒーローでした。
この作品に収められている曲たちは既にクラシックかもしれません。
それだけに、楽曲の良さも改めて再認識させられます。
でも喉が破れそうになるまで歌い、叫び、血が出るまでギターをかき鳴らすカートの姿に
愛しさを感じらせずにはいられません。
カートを愛した人、愛してる人には
是非聴いて、見てカートに触れてほしい作品。
きっといつまでも側に置いておきたい作品になります。
だって会いたくなったらそこにカートがいますからね。最高です。
ライナーにもありましたが
Sonic Youthのツアードキュメント「1991 Year Punk Broke」のDVD化を切に願います。
もうビデオテープがよれよれです。。