著者は、ライプニッツが若い頃、座右の銘にしていた二つの言葉「なぜ私はここにいるのか」「目的を考えろ」という問いに対して、ライプニッツの哲学によって論考を展開していく。
ライプニッツの思想の「最も有名なものに三つの思想がある。(1)モナドの思想、(2)予定調和説、(3)最善説(オプティミスム)である。P.15」「「モナド」というのは分割できない実態のことで、イメージとしては「細胞」に近い。ライプニッツは、世界の構成要素をモナドと捉えるp.15」「各々のモナドは、各々のモナドと異なっているはずである。、実際、自然の中に二つのものがまったく同じようであって、そこに内的差異ないし内的規程に基づく差異を見つけることができないということは決してない。(「モナドドロジー」第九節)p.42」「モナドには物が出たり入ったりできるような窓がない。(「モナドロジー」第七節)p.29」
<自分>の特徴とは、「自分の意識内容を意識していること、つまり、反省、意識の自己関係性として捉えられる」<自覚>であるp.82。<自分>で<自分>を考えるとは「<自分>で<自分>を考えるという自己関係だけではなく、それに加えて、他者を背景として<自分>が現れるための地平p.84」から「<自分>を世界にただひとりしかないものとして見いだすことp.84」、「そこに浮かび上がってくる、際立った領野が自覚p.84」であり、「この自覚こそ、自分が世界にただひとりしかいないことを告げ知らせるものだ。p.84」
この著作は叙情的なものであり、最後の結論のところでライプニッツの思想からはみ出してしまっていると著者は説明しているが、そのような著作こそ哲学を自らに引きつけて考えるのに有効なものであると私は思う。お勧め。