村八分が活動中にのこしたオフィシャルの録音盤はこれだけです。これがライヴ盤だったため、謎のバンドとして長い間伝説の様な扱いをされてきたのでしょう。今はボックスも発売されましたし、これ以外のライヴ盤も多数発売されていますので謎多きバンド「村八分」の活動のほぼ全容を知ることができます。しかし、ボックスなどでいくら音源を聴き漁っても、村八分のライヴを生で体験することはできません。このバンドの場合、それこそが一番重要なことなのだと、このレコードを聴く度に感じます。ミスしても、リズムがヨレても、お構い無しにまるで暴走機関車のように突き進む姿は、まさに69年ライヴ活動を再開した当時のストーンズを思わせます。バンドをやったことのある人は、このうねる様なグルーヴを出すことが実は何より一番難しいという事が分かると思います。時の流れが村八分を覆っていた謎は晴らしましたが、それにより謎であること自体がこのバンドを伝説たらしめていたわけではなかったことを証明したような気がします。クリエイションやサンハウス、ウエストロードBB、上田正樹などが活躍した70年代中期に活動していれば今とはまた違った評価だったかもしれませんが。はっぴいえんど〜ティンパン系、内田裕也派どちらにも属さない村八分は、やはり早すぎたバンドだったんでしょう。