『On Stage』は当初、シンプルに『Live In Japan』として発表される予定だったが、結局一部ドイツ公演での録音が使用された為タイトルも変更された。また複数公演から良い部分を繋ぎ合わして1曲が完成され、スタジオでかなりの修正、オーバーダビングがなされるなど積極的なポスト・プロダクションが行われた。
勿論その事自体は作品の価値を貶めるものでは全くなく、『On Stage』も傑作と評すに相応しい大名盤。現在では1999年にリマスターされた「The Rainbow Remasters」シリーズで素晴らしい高音質でもって聴く事ができる。
しかし、当時実際には100分を超えるショウを披露していたにも関わらず収録時間は約60分。インプロ部分がバッサリと削ぎ落とされ、アナログ2枚組に収める為に大幅に曲順を入替え。更には『Rising』のハイライトである大曲"Stargazer"が未収録。といった点で、多くのマニアが完全版の発表を望んでいた事も確かだった。
結局バンド存命中に発表された公式なライヴ・アルバムは『On Stage』のみ。解散後の1986年、バンドのキャリアを総括するライヴ・コンピレーション・アルバム『Finyl Vinyl』がリリースされるも、オリジナル・シンガーのロニー・ジェイムス・ディオ在籍中のテイクは僅かに1978年のアトランタでの2曲のみだった。
1990年、イギリスのCONNOISSEUR RECORDSが突然、1976年のドイツ・ツアーから4公演の模様をコンパイルしたライヴアルバム『Live in Germany 1976』をリリース。PURPLE RECORDSの倉庫から発掘された音源を元にした正規盤で、音質では『On Stage』に劣るものの、実際の曲順通りのオーダーとなり、ポスト・プロダクションは殆どなしという事でファンからは大歓声でもって受け入れられた。
そしてそれから16年。2006年、1976年のドイツツアーから30年の節目の年に日本限定でリリースされたのがこの『Deutschland Tournee 1976』。9月25日ケルン、9月27日デュッセルドルフ、9月28日ニュルンベルグの3公演を完全収録した6枚組ボックスセット。3公演ともセットリストは同じ。
音質はやはり『On Stage』には敵わないものの、『Live in Germany 1976』よりは幾分良好。でも少しでも音質の良いものをと、大枚を叩いて幾度もブートレッグを買い漁っていた人種には間違いなく夢の様なアイテム。
同一セットとは言え、中身は毎日全く異なる。物凄い緊張感とせめぎあいの様な緊迫感…。リッチー・ブラックモア、ロニー・ジェイムス・ディオ、コージー・パウエルという巨大な才能が奇跡的な確率で居合わせたバンドの最良の瞬間を見事に捕らえた稀少なドキュメント。言う事なし!カンペキ!
ケルンは当時リッチーの代名詞でもあった「ギター壊し」が行われ、大破したギターが発するハウリングが延々続く。デュッセルドルフのみアンコール未収録。というより恐らくこの日はアンコールが行われていない。またコージーパウエルのドラム・ソロではチャイコフスキーの"1812"を用いた有名なパターンが、RAINBOWの正規作品としては初収録(デュッセルドルフとニュルンベルグのみ)。
と、言うことで唯一の売りは、「RAINBOWの正規作品としては初収録(デュッセルドルフとニュルンベルグのみ)な、コージーパウエルのドラム・ソロではチャイコフスキーの"1812"を用いた有名なパターン」だけ。
商売上手でんなァ〜、難波の商人さんも、そらァ、クリビツテンギョでっさァ〜っ!?