29 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「ユーモアは絶望をも、希望に変える」, 2010/10/13
レビュー対象商品: ライフ・イズ・ビューティフル [DVD] (DVD)
この映画のパッケージは何度も目にしたことがあったのに、今まで縁がなく過ごして来た。気になって手に取ってみると、監督はロベルト・べニーニ(Roberto Benigni)というイタリア人らしく、小さな子役の表情がなんとも可愛い。『Life Is Beautiful』とはなんと大雑把な題名だろうか……
私はこの時、油断していた。良い意味で、この作品は想像を超えていた。
映画を通して聞こえてくるのは、主人公グイドのユーモアによる心地良いリズムだ。作品の前半部は彼を取り巻く日常生活がメインであり、後半部は前半と対照的な非日常だった。
グイドは美しい女性(ドーラ)に出会う。彼は自らを『王子』だと名乗り、初対面の彼女を『姫』と呼んで挨拶する。それから時を変え、場所を変え、二人だけの世界(物語)は輝きを増して、やがて二人は結婚する。生まれた子供はジョズエと言い父親のユーモアセンスを受け継いでいる。幸せな一家の日常がナチス・ドイツによって蹂躙されたあとも、その素晴らしい才能は生き続けた。
この作品の特徴はあまりに急激に状況が変化することである。おそらく監督がはっきりと意識してそうしているのだろうが、後半部に入って突然ユダヤ人が強制収容所に送られてしまってからは、まるで反戦映画を観ているようなリアルさが前面に出てくる。グイドとジョズエは不自由極まりない生活を余儀なくされるのだが、その現実さえもユーモアによって乗り切ろうとする。現実とユーモアの極端な対比を見せられた観客は、きっと『人生』について感じることがあるのではないだろうか。
心に残る一作です。私はもっと早くこの作品を観ておけば良かったと思っています。皆さんも手に取ってみてはいかがでしょうか?
30 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ひ弱なヤサ男に真の漢を見た。, 2010/10/2
レビュー対象商品: ライフ・イズ・ビューティフル [DVD] (DVD)
前半部分は洒落の効いたコメディ。(頭の固い人は笑えないかな?)
しかしそれが後半部分にイキてくる。(イタリア訳とか館内放送など)
主役の父親は何も持たず最悪な状況に立ち向かいます。彼のやり方で。
どんな状況になろうと考え方一つで気持ちが変えられる事を彼は教えてくれます。
子供の心に、恐怖・絶望を寄せ付けず。妻を励まし、
色々なアイディアで妻と子供を救う。
強さとは、腕力などでは無く。立ち向かう勇気なんだと気付かされました。
戦争は悲惨で可哀想で涙、では無く。
愛する者の為に見せた彼の勇気に泣きました。(彼も恐かったはず)
色んな事に気付かしてくれた、この映画は間違いなく映画史に残る傑作です。
54 人中、46人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一生ものの作品です, 2010/3/4
レビュー対象商品: ライフ・イズ・ビューティフル [DVD] (DVD)
近年、とりわけここ数日、実の親が子供を虐待死させるようなニュースを耳にします。
国会では子育てに関わる問題を、主に経済的・行政的な面での制度改革に取り組み、
いかに環境を整えるかという論点で連日議論されています。
しかし、子育て・家族・生活・そして最も難解であり単純でもあろう愛情…。それらは
決して物質的なものでもなく、他者との競争の結果勝ち取るものでもないということを、
この作品は教えてくれるようです。
私は昨今の教育現場に於いて、教師が、親が、子供を叱れない、叱るべきでないという
風潮に疑問を抱いていました。教師や親の威厳を保つべきだという意見には、ある意味
賛成でした。
しかしこの作品は教えてくれます。“威厳”とは決して、力関係でのみ生ずるものでは
ないということを。成長したジョズエは、父にこの上ない“威厳”を感じ、尊敬し、
誰よりも誇りに思うことでしょう。
前半のほのぼのコメディーとは一転して、非常に重く暗い歴史背景を伴った後半ですが、
この作品の素晴らしさは、その残酷で非情な歴史を見世物的に過激な描写をすることなく
巧みに観る者の想像にゆだね、しかしながらそんな中にもユーモアをも散りばめ涙と笑いの
波状攻撃をしかけ、感情の奥深くに鋭く刻み付けてくる演出にあります。
ラストは完全なハッピーエンドとはいきませんが、だからこそ一生ものとして手元に
置いておきたいと思わせるほどの説得力があるのだと思います。
日々の生活に追われ、心が疲れている人…。「現実」に囚われるあまり、結婚や恋愛に
臆病、あるいは消極的になっている人…。「子育て」が大変なもの、苦しいものだと、
リスクばかりに気を取られ、それを補ってあまりある「子育て」の楽しさ、子供のいる
生活の幸福感に気付けずにいる人…。色んな人に観て貰いたい作品であり、できれば
手元に置いて、心がカゼをひいた時のおくすりにされてはいかがでしょうか。