序文をビル・ゲイツが書くぐらい、IT業界では有名人であるゴードン・ベル氏が、人生のすべてを記録し、「完全記憶(トータル・リコール(原題)」として利用することの可能性や実現方法を語る。
この人が70歳を超えていることがすごいと思うが、言っていることは、全くまとも。というか、当然のことのように思う。
PCの性能やストレージの容量が劇的に向上しているこの時代。今まで泣く泣く処分してきた「思い出」をすべて保存していくことは、そんなに遠くない未来に可能になるという著者の言葉は、別にSFの世界ではなく、すでに、そういった時代は到来しているのだと思う。
ただし、それが万民に提供されるのはまだ先のような気がする。どれだけ技術が向上し、ストレージのコストが下がろうと、世の中の人全員がそのメリットを享受できているわけではない。先進国の中でも、ネットブックすら買えない貧困層が存在するのだから。このまま性能が向上してもダメで、世の中がそうなるには、それ以外の何か劇的な変化が必要なような予感がする。そうでないと、結局、経済的に豊かな層だけが享受できるサービスにしかならず、人類全体の記憶にはならないのではないか。
なんて、天邪鬼なので思ったりもするが、自分自身はとっても興味のある分野。生きていると思い出したくないこともたくさんあるけど、それも自分の人生の一部。それが記録されているのだとすれば、年齢を重ねていくことも怖くない。むしろ、年を取ることが豊かな人生の記録を積み重ねることと思えるようになるかもしれない。
10年後にはどこまで実現できているのだろう。楽しみだ。
それとともに、今、自分にできることはなんだろう?まずは紙のデジタル化かな。