オムニバスっぽいです。面白い! これはヒットです。
私は厳密にはこれは「オムニバス」ではないと思いますが、オムニバスっぽいです。
『ライフル少女』#1がこっこの視点で綴られていて、『ライフル少女』#2が愛子の視点、『ライフル少年』が二人のクラスメイト・牛居香に焦点を当てているので一読してオムニバスのような印象を受けます。
新しい手法を取り入れてみたという「意欲」のような物が感じられる一冊です。
凶悪娘・こっこも、キツい性格の愛子もとても可愛らしいです。
しかし#1時点ではこっこはまだ愛子が男にだらしない理由も、愛子の「本当に好きな人」も知りません。
#2が愛子の視点で綴られた、7歳の時からの愛子とこっこの生い立ちにまで遡る章です。
あんたもあいこであたしもあいこ、その時から愛子は「愛子」、亜衣子は「こっこ」と名前を取り替えます。
愛子の誤解は、愛子自身の中にこっこを「応援したい自分」と「応援したくない自分」を生じさせます。それが「すぐヤらせてくれる」という悪評を生みます。
こっこと小川君、愛子と力の恋の成就で『ライフル少女』としては完結します。
『ライフル少年』は、牛居香と陽生の出会いを描いた番外編です。
好奇心から香に近づいた陽生、冷徹に「わかる あなたが世の中の女の子はみんな自分のことを好きになると思ってるのも なんとなく」と指摘されショック!
捨て猫を拾ったことにより接近する二人。だが「陽生はめずらしいものへの興味から自分に近づいてきた」という事実は動かし難く、すれ違いが生じます。
友達もおらず、本当は読心術などもない香は突然の告白に戸惑う、これがいいです。
『おばけ村へようこそ』は完全に独立した作品です。
「おばけ(幽霊)」を謎めいたスパイスとして効かせていて不思議な面白さがあります。
この村を嫌いにならないで欲しい、という終わり方がいいですね。