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ベスト盤・lipstick、9.11とイラク戦争以降マニックスはどんな曲と詞を打ち出すのか--正直ずっと気になっていた。
そして届けられた新譜は見事に「今」を確かに捉えている名盤。
ベスト版に収められた「There by the Grace of God」のような曲調で溢れた今作を聴いてすごく感じたのは、ひたすら彼らの優しさだった。
暖かいメロディーに加え、今回はジェームスは張り叫ぶように歌う曲が少なく、滑らかにニッキーの独特な詞に生命を吹き込んでいる。
脂ののった中年にしか出せないような、なんともいえないクセのあるダンディズムが心に響く。
そんな今の彼らは、すごく余裕をもって歌っていると思われる。
そしてそれがまたスゴクイイ。
政治にそれまでまるで無関心だったアイドルバンドまでもが、流行のように反ブッシュを歌う音楽シーンを冷ややかな目でスルーし、時代錯誤のニクソンの歌を作るあたり、ニッキーはさすが、と言いたい。
そんなことは前作で、もうとっくに「悪魔の遊び場」と歌っていた。
ニクソンを擁護してるわけじゃないけど、彼がしたことは間違っていないこともある、という多角的な姿勢。
やたら政治に絡むインテリぶるバンドとはつくづく違うと考えさせられた。
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