出口社長の『常識破りの思考法』拝読しました。
昨年末に発注して年を越し、新年、最初に手にした本となりました。
これまでの自分を振り返り、読みながら何度もしまった!と思わせられる本でしたが、
積極的に旅に出て、必ず自分の足と目で確かめる、ということもさることながら、
読書の取り組み方については、特に勉強になりました。
「本は出来るだけ多く読みたいと思いますが、急いで読むということはしません。
一文一文、意味が納得できるようにていねいに読んで行きます。」
「著者との対決であり、真剣勝負だと思っています。」
「頭に刻みつけるよう読み込んで先に進みます。」などは、その後、読書する際に
意識するようにしています。これは読書に限らず常に心掛けたいことでもあります。
しかし、それ以上に印象的だったのは、御自身の判断基準を述べられている箇所でした。
これには少し経緯がありました。
昨年度、最初に手にした本は、平山郁夫氏の最晩年のものだったのですが、
最も印象に残ったところが次の一節でした。
「私は一つの判断基準を持っています。それは美しいかどうかです。
絵の世界だから「美」と言っているわけではなく、人生すべてにおいて、
この基準に当てはめて考えるとほぼ間違いないと思うのです。
私たち人間は、美しさを求めて生きています。」
『ぶれない、平山郁夫、三笠書房』
東洋を代表する画家に相応しい堂々とした判断基準に触れた気がしました。
実は、その少し前に稲盛和夫氏の本を読んでおりまして、偶然にも御自身の判断基準
について述べられた箇所があったのです。
「私はそれまで経営の経験があるわけでもなく、経済も経理も知りませんでしたが、
それでも判断を下していかなくてはなりません。
私は何を基準に判していけばいいのか分からず、困り果てていました。
悩み続けた結果、「人間として何が正しいのか」をベースにして、
つまり最も基本的な倫理観に基づき、
「人間として正しいことなのか」、「正しくないことなのか」、
「良いことなのか」、「悪いことなのか」
を、基準にして判断していくことにしたのです。」
『成功と失敗の法則、稲盛和夫、致知出版社』
そして、出口治明社長は …
「ビジネスもプライベートも楽しくて面白いが一番の判断基準です。
自分が元気になること、明るくなること、楽しくなること、面白いことを、
ひたすらやればいいのです。もし何も楽しいことが見つからないときは、
寝てればいいのだと思います。
ですから私は「これは必要か」「これは得か損か」等とはあまり考えません。
いつも最後の判断基準は、楽しくて面白いか、だけなのです。」
『常識破りの思考法、出口治明、日本能率協会マネージメントセンター』
それは正しいか?、それは美しいか?、それは楽しいか?、
それぞれ異なる世界の、異なる様々な経験の挙げ句に辿りついた人生観から
来ているに相違ありませんが、ふと「正しい=美しい=楽しい」と
言い切って良いのではないかと思いました。
その時々の様々な物事の組合せや、ロジックとは全く次元の異なる複雑な人間模様に
少しも左右されず、このような判断を下せるには、不肖私自身には相当な年月が掛かる
はずですが、今回の3つ目の判断基準を伺ったことによって、心の真ん中に、
完全な三角形をした拠り所をイメージすることが出来た様な気がします。
書棚にこの3冊を並べおき、心豊かな、幸先の良い正月となりました。