分子生物学を学ぶ人にとって、今や、物理学は避けて通れない。しかし、物理学は系統的な学問であり、途中をスキップして、好きな分野から学ぶということはできない。公理や細々した計算技法を積み重ねて、一歩一歩進んでいくしかないのである★そのような学習法が正統的であることは著者もわかっているのだが、今、生物学的事実に直面している学徒に対して、そこから始めることを強要するのはいかにも酷である★この本を読んでも、それを発展させて、新しい理論を構築することはできない。推論や考察の結果だけが書いてあるからである。しかし、論文に使われる用語や概念を「わかったつもりになる」ことを目的として書かれた、このような入門書にも、一定の価値があると、私には思われる。