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ライト
 
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ライト [単行本]

M.ジョン ハリスン , M.John Harrison , 小野田 和子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,625 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

めくるめく奇想と量子力学が織りなす究極のエクストラヴァガンザ。SFジャンルでも稀に見る強烈なイマジネーションと深い文学的洞察、スタイリッシュな文体と多彩なアイディア、そしてエンターテインメントとしての無類の面白さが凝縮された、イギリスSF・ファンタジーの巨匠M・ジョン・ハリスンによる渾身の傑作がついに登場。2002年ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ハリスン,M.ジョン
1945年生まれ。68年、『ニュー・ワールズ』で短編“Baa Baa Blocsheep”を発表、同誌にて編集者・批評家としても活動。第3長編The Centauri Device(74年)は新しいスペースオペラとして高い評価を受ける。『ライト』で2002年ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞し、アーサー・C・クラーク賞の候補にもなった。続編Nova Swing(06年)ではクラーク賞、P・K・ディック賞を受賞した

小野田 和子
1951年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 444ページ
  • 出版社: 国書刊行会 (2008/09)
  • ISBN-10: 4336050260
  • ISBN-13: 978-4336050267
  • 発売日: 2008/09
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 762,259位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 夢追人009 トップ500レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
イギリスSF文学界の重鎮ハリスンが21世紀に入り久々にジャンル復帰を果たし発表されるや多くの作家仲間達から絶賛の声を浴びた注目の話題作です。本書の最も大きな特徴としては三つの肌触りの異なる物語が平行して語られる構成が取られています。一つ目が20世紀後半のロンドンを舞台にした量子コンピュータの実現に取り組む物理学者マイケル・カーニーの物語で、実は彼は幼少時から馬の頭蓋骨を頂く怪物の幻影に追われ、謎の骨のダイスを振りながら女性を殺戮する連続殺人鬼なのでした。2つ目が四百年後の宇宙を舞台に自らの肉体を捨てて宇宙船〈ホワイト・キャット〉と一体化した女船長セリア・マウが意味不明の言葉を発する箱の謎を追い掛け、謎の核心ケファフチ宙域の秘密にも迫る物語です。最後が同じく四百年後の地球の入植地ニュー・ヴィーナスポートを舞台に宇宙船Kシップの元パイロット、エド・チャイアニーズが電脳空間で活躍するハードボイルドな物語です。
私の感想ですが、まず最初の物語をリードすべきモダン・ホラーの部分が全然面白くなく、殺人事件捜査の興味も怪奇幻想の恐怖感も皆無で終止盛り上がりに欠けます。これはやはり著者にとって全く畑違いの分野に手を染めた事が原因なのでしょう。この導入部の平凡さが尾を引き、続く未来の物語も驚異の部分が際立たず色褪せてしまっているように思えます。総じて中盤までの展開は冗長な印象ですが、次第に強い愛情を感じさせる挿話が増加し、やがて終局が近づくと彼らの不幸な境遇が心に沁み憐憫の情が湧いて容易に別れ難い思いに駆られます。そして三つの物語が収斂するラストに大きな期待が掛かりますが、結果は残念ながら全ての謎が上手く解明されたとは思えず、中途半端で消化不良の印象が残りました。本書は惜しい事に私にとってSFの魅力的な設定や小道具が十分に活かされていない感を持ちましたので著者の次回作に期待したいと思います。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By B.B
形式:単行本
立ち上がりから一気に走り出すプロットと溢れ出すSFガジェット群。不快ながらも強烈で魅力を感じずにはいられない言葉の圧力。噴出するような急速な流れを生み出す筆力。そこで描き出される世界と人物はリアルでありながら象徴的。本書は3側面のスレッドからなり、これがどう収斂していくかに大きな期待を抱きます。

現代を舞台にサイコパスと思われる量子コンピュータ開発者にまつわるサスペンスホラー、2400年の宇宙空間を背景に船自体にアップロードしてしまったと思われる海賊女のスペースオペラ、2400年のとある惑星で仮想空間に入り浸り、取り立て屋から追われる燃え尽き男のサイバーパンク。それぞれの主人公は自らの過去の強迫観念に苦しみ続け、馬の頭蓋骨を持ったもののヴィジョンに付きまとわれたり、夢の中の奇術師に覗きこまれたり、未来が見えるという水槽ムービーに頭を突っ込まされたりするのです。

かなりダイナミックな動きだしですが、読みすすめるうちにこれはどうも収束しそうにないなという嫌な予感がしてきます。各主人公にはパートナーといえるものたちがいるのですが、かえってお互いを身動きできない状態に拘束しているようです。そして攻撃と逃避という行動プログラムによる自己正当化が続いて、知性や理性といったものを一切受けつけない自己防衛の本能がむき出しにされていくのです。そこからの突破口はあるのでしょうか。もしかしたらそれが著者のいう、事象の地平線のない特異点なのかもしれません。「破られた宇宙の法則が、安っぽい手品の小道具のようにこぼれでてくるところ。とても理解しきれるものではないが、理解しようとせずにはいられないもの」いや、たしかにこのラストは理解の範疇を越えていました。彼らが自分を責めてはいけないと思い、自分のすべてを許したりするとは。著者の筆力とアイディアを思えばなにか少しもったいない気がします。ただ、理解を越えた濃密で混沌とした世界を一気に突き抜ける加速感は衝撃的で鮮烈です。

本作の宇宙観を次作のNova Swingではノスタルジックでスタイリッシュな味つけにしてます。翻訳がたのしみですね。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
2002年のM・ジョン・ハリスンの作品。これは凄い作品です。本作は3つの舞台が同時に進行する構成。一つは現代の量子コンピュータの研究者カーニーであり、残る2つは400年後の宇宙世界。現実パートは現代であるから特に主人公の幼年期のトラウマや性衝動を通して精神が行動へ働く連関、殺人者として獲物を漁りながら自身の半身である異性、妻を求め、また突き放す主人公「本当に欲しい物から逃げている」と心理考察出来る数々の行動の描き方は上手い。未来のパートも同じく現実、未来に歩む事から逃れ仮想空間に逃避している男エドのドラマと、肉体は宇宙船Kシップに接続された意識体として、クローンやシャドウオペレーター、自身の栽培変種を使い計算体と共に生きている女性セリアのドラマが描かれ、この二つは緊密にリンクしているのだが詳しくは本書を読んでください。量子力学SFアイデアや猟奇的設定、ハードボイルドな設定はあくまで表面上のアイデアを繋ぐだけの物だ。3者に共通している過去の体験から来る現実逃避とその反面の現在を見つめなおし未来へと歩む姿、男と女それぞれの深層意識を描く様な夢の描写とリンクしあう構成。セリアとエドの関係を知った上で読むと二人の全ての感情の揺れが理解出来ると思います。ビリーが時空の裂け目から持ち帰った「ドクターヘインズの小箱」とは何とリンクしているのか。カーニーには「ダイス=内なる庭」であり、エドには「トゥインク室」であり、セリアには「肉体の箱」である。そしてその背後にいる存在とは、そして全てにとって何だ?考えてみてください。実にこの雑多で奇妙なSFアイデアの背景とてんでばらばらに見える様でその実かみ合っている。小説世界ではよく寓意として使われる猫のモチーフも常に人と共にある。音楽もだ。そして円環構造。文中で「アインシュタインクロス」も度々登場し、やはり本作も廻る世界と人々の苦悩と「希望」を表した作品だと思いますし、ディレイニーの「エンパイアスター」へのハリスンの回答の様な気もします。表面上のアイデア部分とドラマを構成する個々の人物の深層意識、精神部分が時間を越えて同時に存在しリンクし合い巡り合う。そして本当に「パステル都市」の作者の作品か?と最初は思ったのだが、紛れも無く同じ思想で紡がれた作品である事が分かります。ぜひ表面上のアイデアに流されずに読んでいただきたい。これはSF、文学関係無しに到達点の一つであり未来への指針だ。
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内容・タイトル 返答 最新の投稿
ライトと Nova Swing と黒猫白猫 0 2008/10/29
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