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ライトノベル表現論: 会話・創造・遊びのディスコースの考察
 
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ライトノベル表現論: 会話・創造・遊びのディスコースの考察 [単行本]

泉子・K. メイナード
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,150 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

2000年以降、読者を増やし続けているライトノベル。このライトノベルの文体や表現の特徴とは何か。どのような表現方法を駆使してどのような効果を狙い、読者にどうアピールしているのか。その過程で日本語がどのような姿で創造・消費されるようになってきたのか。この書き言葉のディスコースの中で起こる現象に焦点をあて、多角的な分析を試みる。現代の日本、特にポピュラーカルチャーの世界で、日本語はどのような機能を果たしているのか、今私たちの生きる言語文化をライトノベルから読み解く。

内容(「BOOK」データベースより)

現代の日本、特にポピュラーカルチャーの世界で、日本語はどのような機能を果たしているのか。今、私たちの生きる言語文化をライトノベルから読み解く。

登録情報

  • 単行本: 357ページ
  • 出版社: 明治書院 (2012/4/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4625434483
  • ISBN-13: 978-4625434488
  • 発売日: 2012/4/12
  • 商品パッケージの寸法: 21 x 15 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 165,512位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By suihou トップ50レビュアー VINE™ メンバー
Amazon.co.jpで購入済み
 著者は言語学の一関連分野としての「談話分析」の専門家です。「談話分析」とは、ディスコース(言説)を、従来の文体論や物語論、読者反応批評などを越えて、かなり技術的に取り扱う総合的なメソッド。本書はそれを用いて、ライトノベルという新しい文学の現場を読み解こうとするものです。

 本書の第一章は、「ライトノベルという現象」を近代文学の終わりとポストモダンあたりから、バフチンやバルトあたりも含めて概括していて、もちろん「まんが・アニメ的リアリズム」や東浩紀らによる近年の分析もとりあつかいながら、ひじょうに大きなフレーミングでとらえようとしています。ここは現場に密着した評論とはまた違った大局からのもので、シャープな提示でした。恐らくここが唯一、普通に予想される意味での「ライトノベル論」。

 二章、三章はどんなふうにライトノベルのディスコースを分析するかを予告しています。「新言文一致体」「ナラティブ理論」「マルチモダリティ談話分析」「間ジャンル性」この先いったいどう展開されるのか。

 ところが四章から実際の分析に入ると、「涼宮ハルヒ」「とらドラ」「生徒会の一存」「キノの旅」などベストセラー・ライトノベルをふんだんに引用しながら、「キャラ語」「ツンデレ表現」「マンガ・アニメ的誇張会話」の絵解き・・・大変わかりやすくなっています。五章は、心内文、見え隠れする語り手、六章は、繰り返しの例、七章はオノマトペの展開、八章は表記の操作(カタカナの使い方など)、九章はレトリック効果(ライトノベルのツッコミと遊び、詩との間ジャンル性など)、十章は文章のビジュアル化(記号やページのレイアウト)、十一章はキャラクターのマルチモーダル展開(言ってみればカバーイラストやレイアウトの話がメイン)。会話の中での話題の受け渡しなど面白い観点もありましたが、これは他ジャンルでもよくあるのでは? と思えるほどの例証も含む、きわめて読みやすい展開でした。

 この中心部分で、ライトノベルの表層的な表現の部分は、ほとんど全部網羅されていると思います。ただし『談話分析理論」は、このさき、つまりライトノベルがいったい何なのかにせまる(この分析から、さらに情念や無意識などの内面にまで立ち入る)ことまでは、目的としていません。

 まとめの章を見ると、ある場の中での言語表現の共有を扱う「場交渉論」が著者の大きな関心であり、そのために本書を執筆した、と書かれています。
「ライトノベルという虚構文化の中で交渉する主体(作者)と相手(読者)の相互依存的な関係がポストモダンに生きる人間のアイデンティティーを支えていく。そしてキャラクターに自分のイメージを重ねつつ、その架空のキャラクターに萌える消費者たちは、データベース情報を分かち合う共同体の中で自分のアイデンティティーを求めていく。ライトノベルの表現を場交渉論的に考察することで、言語をこのような人間行為として理解することができた」(p.330) 

 つまり、ある文学の成立する場に「どのような、作者、読者間の交渉が行われているか」を見るのが著者の最終目的。特に評価や価値判断をくだしてはいません。それを踏まえて読むべきだと思います。

 論を使って何かの結果を出す、というより、論を使ってみせる、というプロセスのほうに、どちらかといえば重きがある学術書かもしれません。

 個人的に「ライトノベル論」として期待したこととは少し違いましたが、本書は、文学の最新の理論を知りたい人が、ライトノベルの親しみやすい文例によって、たちまちそれをマスターし理解できるというメリットもあります。
 ライトノベルは、作者と読者の「場」が緊密に成立している、という点ではもっともこの理論にふさわしいジャンルであり、まさに時宜を得た本でしょう。
 このジャンル、この理論に関心がある人には一読をお勧めします。
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5つ星のうち 1.0 勉強不足 2013/2/17
やろうとされていることは非常に素晴らしいと思います。
しかし、他の方も指摘されていますが、ライトノベルという文化への理解が非常に乏しく感じます。
少なくてもライトノベル定義を含めてきちんと咀嚼してから出版して欲しかったです。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ライトノベルの文体意識 2012/6/16
未読の方への指標になるようなレビューを想定して書きます。
まずこの本は2012年現在のラノベ界の肯定や擁護を主目的とした論ではないので
そういう物を求めるとカテゴリー・エラーなので注意。

基本的にラノベ作品またはそれと一般文芸の業界横断的な作品の文章を例示して扱っていく本です
主に扱われる作品群は
"嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん"
"文学少女シリーズ"
"撲殺天使ドクロちゃん"
"生徒会の一存"
"フリッカー式"
"クビキリサイクル"
"砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない"

他にもありますがかねがねこの辺りです。
例示作品を見るに最も楽しめる読者の年齢層は、現在20代前半で中高生のころラノベを読んでた層。だと思います。

分析の際に用いられる手法は
バフチンを基本とした、声の多重性や間テクスト性などでした。

特定の作品群の、本歌取り的な手法を使った間テクスト性の分析や、
ラノベ全般における地の文と会話と発話がシームレスに切り替わる文体
などが興味深かったです。

第六章と第七章あたりを読みこめば、近代文学みたいな文章しか書けない! という人でも
ある程度、意識的で技術的にこういう文章を身につける事ができるだろうと思いました。

仮に購入するとして
ラノベ作家志望の人、一般文芸志望だけど受容の間口を広げたい人、単なる好奇心から、懐かしさで、
どの理由で買っても一定以上の水準にあるとおもいます

余談としてはドクロちゃんの文章は今見てもキてるので
ある程度の年数に耐えてて凄いなと思いました
参考になれば幸いです
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