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ライトジーンの遺産 (ハヤカワ文庫JA)
 
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ライトジーンの遺産 (ハヤカワ文庫JA) [文庫]

神林 長平
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

体内の臓器崩壊現象が頻発する未来社会。かつて人工臓器市場を独占していた巨大メーカー・ライトジーン社なき今、臓器をめぐる奇怪な現象や犯罪が続発していた。都会の片隅で自由に暮らし、本とウィスキーを愛する菊月虹は、ライトジーン社が遺した人造人間。虹は市警の新米刑事・タイスと共に臓器犯罪を次々と解決するが、やがて虹と彼の兄・MJの出生の秘密に関わる陰謀が彼を襲う。傑作ハードボイルドSFの決定版。

内容(「MARC」データベースより)

人工臓器の総合メーカー、ライトジーン社が解体された。一社独占では人類の運命を握りかねないからだ。だが臓器を巡る奇怪な現象と犯罪は絶えない。ライトジーンの遺した人造人間と新米刑事が動き始める。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 626ページ
  • 出版社: 早川書房 (2008/10)
  • ISBN-10: 4150309396
  • ISBN-13: 978-4150309398
  • 発売日: 2008/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By miya VINE™ メンバー
形式:文庫
レビュータイトル通り、神林長平先生の作品に興味を持たれたなら、まずこの作品をお薦めします。
アニメ化された『戦闘妖精・雪風』シリーズや、看板作品である『敵は海賊』シリーズは、
ネームバリューはありますが、神林作品としては、かなり敷居の高い作品でもあります。
いきなりそちらに手を出すより、この作品で神林ワールドに慣れてから、それらのシリーズに
手を出してみてください。
また、『雪風』などの作品で『神林作品はちょっと……』と思われた方にもお勧めします。
神林作品の中では、かなり読みやすい作品ですので、本作でリハビリしてから再挑戦してみてください。
きっと、新しい発見があるはずです。

さて、本編の主人公である『セプテンバー・コウ』こと『菊月虹(きくづき こう)』ですが。
流石神林氏と言うか、ひねていると言うか。王道から少し外した所を狙っています。
見かけは四十路の中年男。特に美形でも不細工でもなし、ついでに社会保障も金もない自由人。
しかし彼の正体は人造人間であり、最強のサイファ(超能力のような物)でもあります。

これだけだと『超能力でバリバリ戦うサイキック物』と勘違いされそうですが、違います。
むしろコウは、『サイファの能力は人間が進化する過程で捨ててきた能力』だと言ってはばかりません。
また『この能力のせいで余計な面倒を背負う羽目になる』などと愚痴る場面もあったりします。
ただ、かと言って、サイファの力を忌避している訳でもありません。
『尻尾のような物』などと自分の能力を評価していて、
『とりあえず持っていたから使っている』という感じで、
サイファの力を誇るでもなく貶すでもなく、ただいつも自然体で過ごしています。
ただ、その『自然体』というのが、『家賃や映話代が払えるか』や『今日の目標は焼きたてのパンを買う事』
などという、非常に庶民的と言うか、貧乏くさいと言うか。非常に神林的な主人公です。
尤も、こんな事を書いていますが、私はコウの大ファンで、『こんな中年になりたいな』と常々思っています。
本編を読んでみたら分かってもらえると思いますが、格好良いんですよ。貧乏中年のくせに。

また、彼を取り巻くレギュラーキャラも個性的な面々です。
コウの『兄』であり『女性』であり『年下』という、何のこっちゃ?と首を捻りたくなる
設定の持ち主である、『MJ』こと『メイ・ジャスティナ』及び『五月湧(さつき ゆう)』。
コウを臨時雇いしては、サイファや大企業絡みの捜査をやらせる、底の見えない男、『申大為(しん たいい)』。
正義感の強い新米刑事で、なまじ有能だったが為に、コウや申大為に気に入られてしまうという、
ある意味この作品で一番不幸な青年『タイス・ヴィー』。
どのキャラも、具体的な容姿の描写は殆ど無いにも関わらず、何となくビジュアルが浮かんでくるのが不思議。
これも、神林マジックのひとつですね。

視点を人物から作品背景に移します。
まず、この作品のバックボーンとして、『ライトジーン社』と『臓器崩壊』が挙げられます。
『臓器崩壊』とは、人間個体の部位が、勝手に個々に機能を停止してしまう、という奇病です。
この奇病は世界的な規模で起こっているもので、誰もが臓器崩壊を起こす可能性を抱えています。
今は対症療法として、人工臓器が代用品として使用されている、という状況です。
『ライトジーン社』は、その当時では最も優秀な人工臓器メーカーであり、コウとMJを造り出した企業です。
元々この二人は臓器崩壊の研究過程で生まれた存在で、そんな彼らがサイファの力を持っている、
と判明した時、何らかのアクションを起こして結果、取り潰されました。
ただ、ライトジーン社の人工臓器製造技術と、コウとMJという人造人間が、遺産として残されました。
タイトルの『ライトジーンの遺産』とは、恐らくこの二重の意味を込めた物なのでしょう。

ページも多く、また内容もボリュームがある作品ですが、意外とさくさく読めてしまいます。
『ヤーンの声』のコウではありませんが、ゆっくりできる余暇に、お茶かウィスキーをお供にして、
ページをめくっていっては如何でしょうか?

最後に余談ですが。
ソノラマ版の表紙と違って、こちらは何となくコウのイメージに近い男性がいるのは喜ばしいのですが。
その上に描かれているのはMJでしょうか?
何だかこの構図だと、MJがヒロインみたいですねw
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By
形式:文庫
主人公の菊月コウはサイファである。サイファとは広義には超能力者のことだが、狭義には人造人間のことである。そして狭義のサイファは二人しかいない。菊月コウと、メイ・ジャスティナこと五月湧である。かれらはすでにないライトジーン社によって人工臓器の研究のために開発された。

強力な超能力を持ちながらも、かなり庶民的な、というより社会の底辺でやっとのこと暮らしている主人公が人工臓器による事件を解決する連作小説。一話一話でしっかりまとまっている。著者のほかの感動大作と比べると感動の度合いは低いが、その分わかりやすい(といっても終わりが見えるのではない)作品で、楽しめる。

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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
まず、最初に言えるのは、全体がまとまっていると言う事。
氏の作品に多く書かれている「人間について」等の考えが
よくまとまっていると思える。ストーリー面としても
まとまっているという印象が強く、読みやすいと思います。
一つ難を言うと、もう少し内容を深くしても良かったかなという
感じがある。それでも、氏の考えはわかりやすいと思います。

まぁ、読んでみれば面白いのは間違いないので読んでみては?

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