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何度も参照できる本です。
もちろんこれは入門書であり、個々のトピックス・個々の思想家については軽くしか触れられていないが、それらがどこでどうつながっているのかといった見取り図が、通読した読み手には与えられる。それが本当に正しいかどうかは問題ではない。混沌として見える西洋思想の海、そこを環流している海流が、ここでは指し示されているのである。後は、それに乗ってそれぞれが航海に漕ぎ出し、自分なりの海図を作っていけばよいのである。
ちなみに、私の印象に最も残っているのは第2部「ヘブライ信仰」の末尾にあるパウロを扱った一節である。これはもちろんヨーロッパ思想に通じる道なのであろうが、私はここから鈴木大拙の『日本的霊性』を連想した。詳しく書く余裕はここではないが、大拙が欧米で受け入れられた理由は、もしかしたらこのあたりにあるのかも知れない。
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