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ヨーロッパ市民の誕生―開かれたシティズンシップへ (岩波新書)
 
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ヨーロッパ市民の誕生―開かれたシティズンシップへ (岩波新書) [新書]

宮島 喬
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

地域統合と分権化が深まり、外国人労働者や難民の定住もすすむヨーロッパ。国民国家のありようが問い直される中で、国籍や社会的諸権利の考え方も大きく変わりつつある。この動きは日本社会にどんな意味があるのか。長らくヨーロッパ社会を観察してきた社会学者が、多層化するシティズンシップの行方を探り、新しい社会の姿を描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

宮島 喬
1940年東京に生まれる。1967年東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。専攻は社会学。立教大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 209ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2004/12/21)
  • ISBN-10: 4004309255
  • ISBN-13: 978-4004309253
  • 発売日: 2004/12/21
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By poox3
形式:新書
タイトルからは、近代主権国家から「1つのヨーロッパ」へと変化するEUの中で
共同体と個人の関わり方にどのような変化はあるのか、というようなテーマが思い浮かびますが
主権国家を超えた共同体と個人の関わりだけではなく、主権国家の中での共同体と個人の関わり、
具体的には国家・地域社会・民族集団・言語集団・ライフスタイル集団など
さまざまな角度からヨーロッパにおけるシティズンシップの現状を紹介しています。

スペインやイギリスにおける言語権の試みや、フランス・ドイツにおける難民・移民の歴史や
その国籍取得・外国人への参政権付与の試み、Parite(男女同数)やPACS(民事連帯法)などの
西ヨーロッパ諸国の様々な挑戦を著者自身の経験や現地でのインタビューを交えて論じています。
国レベルの問題・政策だけでなく、地方や都市レベルでの問題・政策も紹介されていて興味深いです。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 小僧 VINE™ メンバー
形式:新書
ヨーロッパに今、新しい風が吹いている。伝統的に国家は「国民」を対象に福祉などの社会保障を提供してきた。しかしながら旧植民地出身者や非西欧からの移民労働者の流入は、欧州の各国において「シティズンシップ」を共有し得ない人々の増大という事態を招き、欧州各国はEUを軸に、「国民」を対象とした「シティズンシップ」から、より「開かれたシティズンシップ」への道を切り開きつつある。本書はそんなヨーロッパの今を伝える格好の入門書である。

本書における「シティズンシップ」とは、法的概念としての市民権にとどまらない、人々の行為やアイデンティティに関する社会学的なコンセプトである。「私達が一つの社会に生き、その社会の平等なフルメンバーと認められ、自らもそう感じていて、定められた諸権利を正当に行使でき、定められた諸義務を果たさなければならないとき、「シティズンシップ」が成立する」(P2)。

既存の国民国家体系の下で抑圧されてきたカタルーニャなどの地域アイデンティティの再生。帰化を選択せず、「デニズン」化する膨大な数の移民たちの存在。価値観の多様化と新しい家族やライフスタイルのあり方・・・。ヨーロッパは今、画一を求める「近代」の体系から、様々な形のマイノリティを抑圧しない寛容な体系へ、すなわち「開かれたシティズンシップ」の体系へと変容しつつあるというのである。

楽観的に過ぎる感も否めないものの、しかしながら現在のEUを軸とした欧州の変容の方向は可能性に満ちたものであるのは事実である。著者は繰り返し日本の状況との比較の視点を提示しているが、まさにこれからの日本が国際社会の中で生きていくうえでどんな国のあり方を構想していくのか。そんなことを考える上でも欧州から学ぶべきことは多いに違いない。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
ヨーロッパの多様性と画一性という2つの相反する要素を「人」の視点から分析した良書だと感じた。冒頭はシチズンシップの定義など、私のような素人にはわかりづらく、かつあまり関心のない議論も含まれてはいるが、全般的に各国(特にドイツ、フランス、イギリス、スペイン)の事例をふんだんに盛り込み、わかりやすいと感じた。

私が特に関心を持ったのは「ヨーロッパ市民」の誕生?という点であった。欧州ではイギリスのウェールズ、スコットランド、スペインのカタルーニャ地方、バスク地方など、国よりも地域を自身のアイデンティティとして強く認識している人が生まれている一方で、彼らは自分達をヨーロッパ人とも認識している傾向がある、という議論である。またフランスのマルセイユに住む人々は自身をマルセイユっ子として認識する傾向が強いという。人種や民族を超えて、地域への愛着で人々が結び付いている姿は今後他の地域でも大いに参考になるのではないか。Unity in diversityという言葉が実感できる本だった。
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