1994年に社交界デビューした24人のお嬢様の中には、英国の故エリザベス皇太后の親戚筋にあたる人や、ルイ・ヴィトン・モエ・へネシー創始者の令嬢らを集めた写真が巻頭を飾り、彼女らのファッションを眺めていると、中には突飛な衣装の人もいますが、さすがルイ・ヴィトンは違うと思わせる優雅さもあります。また、フィレンツェのピッティ宮殿が所蔵するメディチ家関連の宝飾工芸品がカラーで紹介されており、今回は、特にビジュアル面が良かったと思います。文章による人物史では、マリア・テレジア、カトリーヌ・ド・メディチ、ルクレツィア・ボルジア、血の伯爵夫人ことエリザベート・バートリなど、既に何度か紹介された人物も多く、『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ一家や、ロートレック、サド侯爵なども登場するとなると、名家もいろいろといった感じで、今更ながらという気がしないでもありませんが、ゴヤの絵画のモデルにもなったチンチョン女伯爵、ポルトガルのブラガンサ家のマリア1世、ビスマルクと対立したヴィクトリア皇后(英国のヴィクトリア女王の長女)などの生涯は、珍しく面白いことには面白いのですが、一方でもはや紹介する人物が払底し、質よりも量といった印象も持ちました。