人間の身体のなかで顔はもっとも多くの情報を発信しており、日常生活における喜怒哀楽の感情も、おもに顔によって表現される。「人は見た目が9割」と言われたりもするが、外見にあらわれた雰囲気や表情や目・鼻・口・耳がつくりだす人相が、内面の性格や人格をあらわすのは事実だ。
そのため、古代から、顔を通じて人間の特性や人格を判断するという、人相学や観相学へのアプローチが行なわれてきた。外見的な容貌と内面的な性格が相関関係にあることは経験的に感得することであるので、古代から人びとは、その経験則にもとづいて普遍的な人相学を生みだしてきた。
はたして、顔つきで、キャラクターがわかるのだろうか!?
本書は、古代ギリシアで体系づけられたヨーロッパ人相学が、中世キリスト教社会を経てルネサンス以降現代まで、どのように変遷してきたのかを歴史的に跡づけながら、それに関わる表象(聖像・彫刻・仮面・絵画・映画......)をわかりやすく解説してゆく。人相学は特定の人種(たとえばユダヤ人や黒人など)排斥といった優生学的思想にもつながりうるが、その危険性についても注意を喚起しつつ、パンクファッション的な顔面改造や整形美容があたりまえとなった現在までを射程に収めるあたり、学術的な価値はもちろん、一般の読者でも親しめる、目配りのきいた西洋文化史だ。図版多数収録。 --出版社からのコメント
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