CSRというと環境問題に重きを置きがちな日本企業とは異なり、欧州企業は、社会問題、特に失業者や発展途上国からの労働者の人権に関わる労働問題を機軸に据えることが多いという。それらの問題は、もはや政府の力だけでは解決できない状態にあるからだ。「法律上、契約上の義務」を上回る社会貢献への自主性を企業が有し、同時にそれを業務の一部として取り込まない限り、「社会の持続的発展」は望めないという危機意識が欧州企業にはある。またこの点こそが、本来の業務とは切り離した「慈善的事業」によってCSRを実現しようとしている米国企業との決定的な差異であると指摘。これらを踏まえたうえで、若年層の失業、外国人の増加、地域社会の崩壊などの課題に直面する日本企業のCSRについて検討する。
(日経ビジネス 2005/11/14 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
●本書は2003年頃から注目度が増した
CSR (Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任) の原点、ヨーロッパのCSRを中心にその本質を解き明かした本です。著者の藤井敏彦氏は現役の経済産業省官僚であり、2000年から2004年までの4年間、ブラッセルでロビイストとしてEUの政策決定に関わった経験の持ち主。それだけに、肌で感じた、ヨーロッパの空気と考えをリアルに伝える、今までに類のない視点のCSR書となっています。
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5つ星のうち 5.0
CSRの本質を分かりやすく整理し、明快に解き明かした経営者必読の書,
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レビュー対象商品: ヨーロッパのCSRと日本のCSR―何が違い、何を学ぶのか。 (単行本)
本書は、ヨーロッパのCSRの根本理念と欧州委員会および各国の政策としてのCSR、グローバル企業の経営戦略としてのCSR経営の背景、ステークホールダーの果たした役割などを極めて分かりやすく解き明かしている。この本を熟読すると、CSRの理念は各国の文化とか社会習慣などの異なった条件を超えたグローバルな価値観であり、欧米のCSRとか日本のCSRが個別に都合よく存在するのではないことがよく理解できる。私は欧州で13年間直接経営に携わってきたが、日常の経営戦略の中でCSR経営を実践していくことの難しさや多くの問題に直面した。本書を熟読して「眼から鱗が取れる」思いでこれまで整理されていなかったCSRの本質を理解することができた。 日本でこれまでに出版されたCSR関係の本の多くが、CSRの定義とか歴史・方法論などについて解説しているのに比べ、欧州のさまざまな時代と分野で直接CSRの議論と実践に携わってきたこの本の著者は、CSRの基本理念やその背景をリアルに説き起こしており、CSR的経営とは何か、企業活動の枠を超えてその重要性の本質を考えさせる読み応えのある内容である。 グローバル企業のトップマネージメントに携わる人、CSR担当者はもちろんのこと、CSRは卒業したと思われている方々にも是非ご一読をお勧めいたします。
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5つ星のうち 4.0
CSRの源流に迫る,
By 津田正顕【號称塾】 "Nextbaron" (Kusatsu, Shiga-pref. 滋賀県草津市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ヨーロッパのCSRと日本のCSR―何が違い、何を学ぶのか。 (単行本)
CSRには、EU型、アメリカ型、日本型があり、日本型はアメリカ型に近い。日本型=環境+社会貢献+法令順守:業務外的 アメリカ型=フィランソロピー+地域社会:業務外 EU型=労働(雇用)問題+持続可能性対策:業務内 EU型が業務において、CSRを追求していくのに対し、アメリカ型は業務外において、儲けたお金を使ってCSRを行うという基本的な考え方の違いがある。ビル&メリンダゲイツ財団が典型的と言える。 映画 「ザ・コーポレーション」をご覧になればすぐに納得いただけることとして、企業は制御不可能に近い状態にある。利益追求に歯止めをかけられないということである。 法的にはどうすることもできない状況にあるが、何らかの対策は急務である。その時に登場したのが、CSRなのである。 そのため、ライブドアの事件が裁判でいとも簡単に終焉を迎えようとしている日本においては、上記のような発想は出てきにくい。(もちろん、日航コーディアル事件により、上記発想が出る人もいるだろうが。) それ以外の違いとしては、NGOの働きが挙げられている。EUのNGOは、人々に信頼され、実行力があるが、アメリカ・日本はあまりそうではない、ということである。 もちろん、すべてのCSRがEUに追従する必要はないが、学ぶべき点は多いということをこの本から感じた。
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5つ星のうち 5.0
EUに関心がある人必読の書,
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レビュー対象商品: ヨーロッパのCSRと日本のCSR―何が違い、何を学ぶのか。 (単行本)
「EUの首都」ブリュッセルで産業ロビイストとして政策決定に深く関与した筆者が、グローバルな課題であるCSRと環境保護に焦点を当て、事例を踏まえつつ、欧州委員会・欧州議会・産業界・NGOからなるEUの複雑な「多層構造」が生み出す政策形成のダイナミックスを鮮やかに描き出している。ファンクショネア(EU行政官)やロビイストの息遣いさえ聞こえそうな、臨場感のあふれる記述だけでなく、政策現場の経験に基づく高い知見と、米国や日本の実情をも踏まえた透徹した視点に、読者が強い感銘を受けることは間違いない。 欧州統合の歴史的背景やソーシャル・ヨーロッパとリベラル(市場経済主義)・ヨーロッパの思想的対立軸を見据え、CSRと環境保護の背景にある「理念性」への深い洞察に裏打ちされた本書は、EUに関心がある人必読の書である。
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