どのページを開いても美しいカラー写真が目を引くが、左ページに写真、右ページにその説明が載っている。世界遺産というのは文字通り長い歴史を持つものであるが、本書では建造物を単に順次紹介しているだけではなく、説明の項目に工夫がみられる。例えば「ローマ歴史地区」のページを開くと、右ページには「風土の魅力」という見出しで、ローマ発祥の地パラティーノの丘が温暖であり川が近かったことやロムルスとレムスの双子兄弟の建国伝説についての簡潔な説明があり、次の右ページには「栄華のとき」と題して、小国家から地中海を統治する大帝国への歴史の概略、「この人に注目」という箇所では、オクタヴィアヌスを取り上げ、「見どころ」としては、フォロ・ロマーノ、コロッセウム、パンテオンなどの説明があり、いずれも左ページには、それぞれゆかりのある建物などの写真が掲載されている。コンパクトな文庫本にイタリアとギリシアの世界遺産の魅力が満載である。