手にとって、最初パラパラと眺めていたときは「なんだ、村上春樹の『走ることについて……』の二番煎じみたいな本かな」という印象でした。
しかし、その予想はいい意味で裏切られました。
実際、文体には少し似ている要素を感じますが、結局のところ本書のまえがきにもあるように、「しかし、おそらくマラソンランナーにはそれぞれのランニング哲学があり、それぞれのマラソンの世界がある」のだと思います。その意味で、本書も独自の存在価値をしっかりと持っている一冊でした。
その一方で、「それぞれの」ランニング哲学・マラソンの世界であるにもかかわらず、同じ距離を経験した者にとっては、参考になるし、勇気づけられるし、感銘を受ける部分が多々あります。