52枚全部を聴いた.音質マニア派には物足りないだろうが,メロディー・マニア派の私は大満足した.
時として省略される繰り返し部分やワルツの長い序奏が全て原曲どおりに演奏されているようだ.
メジャーな曲や,シュトルツの大全集収録のセミ・メジャーな曲だけでなくマイナーの曲を含む全曲を聴いて,メジャー,セミ・メジャーだけではわからないヨハン・シュトラウスを新発見した.彼は偉大な民衆音楽家,舞踏音楽家なのだった.時として類想的なモチーフに出会うこともあるが,500曲近い作品全てが艶やかで,華麗さに満ちている.ツィーラーの晩年がツィーラー節とでもいうか,パターン化したのとは格段の相違だ.当時のウィーンの民衆はシュトラウスの曲を口ずさみながら,次の曲を待ちわびたことであろう.面白いのは自由奔放なカドリーユだ.自作のモチーフが大部分であるが,ベルディーやビゼーのモチーフを使ったもの,中東欧・バルカンの民謡のモチーフなどが散りばめられている.聴いていて楽しい.ドイツ民謡のモチーフでツィーラーも使っているものもあった.行進曲は,ツィーラーが軍隊風であるのに対し,シュトラウスは華麗だ.私は両方とも好きだ.ワルツ,ポルカなどには多彩なメロディーが踊っている.親交のあったブラームスが,シュトラウスの湧き出て来るメロディーの才能を羨ましがったというのも,うなずける.
インデックスが貧困であるのは事実だ.私は表計算ソフトExcelに主要項目を入力してインデックスを自製中だ.出来上がり次第,作品番号順,ジャンル別番号順,初演地別など並べ替えて,一度ならず聴くつもりだ.
添付の英語版リーフレット記載のNaxosのURLを開いてみると1曲ごとの詳細な解説が載っている.日本語訳してほしいものだ.
ともあれ,メロディーの宝庫,楽しい52枚であった.