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話はインタビュー形式で進むのでクライフの思考がとても分かりやすく表明されており、ヘタクソなクライフ評論なんかよりもずっと読ませます。
たとえば『トータルフットボール』とは何か…
アヤックス、バルセロナの監督業について…
自分は最高の選手である…など。
クライフが自分のことを冷静に語っているのだからゾクゾクします。
先ほども書いたようにとても読みやすいので、2時間ぐらいの有意義な時間を過ごせるかと思います。
特にサッカーに携わっている方にはゼヒ読んで欲しいですね。
おそらく何がしかの衝撃は受けるはずです。
何しろ彼は
「たとえば4対0でリードしていて残り時間が10分。こんな時はシュートをゴールポストに当てて、観客を『おお』とどよめかせたほうが盛り上がるんだ」
などと堂々と言ってのける御仁なのですから。
とはいえ、本人の思いが第三者の解釈なしで語られているため、
トータルフットボールの理念や特徴、在籍もしくは指揮したチームの
分析などは、やはり秀逸。
例えば86年W杯のオランダ代表のクライフ流布陣では、
ライカールトをトップ下に配置。
ミランや晩年のアヤックスの活躍からは、簡単には浮かばない発想だ。
また、90年W杯代表の対エジプト戦でのコンセプトにも、うならされる。
こんな調子で、よくもわるくも「信者の幻想」を上回る本。
もちろんクライフを知らない方が読んでも、「!」な部分はあるだろう。
クライフ像を別の視点からも見てみたい方には、
中公文庫の「ヨハン・クライフ-スペクタクルがフットボールを変える」
が良いのでは。
本書を特にお薦めしたいのは、「クライフ」という名を知ってはいるが、彼の選手時代あるいは監督時代を直に観たことがない方々!。ペレのように17歳でW杯を制した訳ではない、マラドーナのように6人抜きの超人的ゴールを決めた訳でもない、にも関わらずその両者にまったく引けを取らない圧倒的存在として語り継がれる理由がきっとわかることでしょう。ただ、いわゆる「クライフ信者」にはどうか。サッカー雑誌等で彼のインタビューにこまめに目を通している方々には、既知の内容かもしれません。が、クライフイズムの「総まとめ」として位置付けるならば、それなりの価値ある一冊になることでしょう。
最後に「美しく勝利せよ」というタイトルが、どうもクライフの思想を正確に表現し得ていないように思えることを付け加えておきます。むしろ「美しく敗北せよ」の方が、彼の言わんとしていることにより近いでしょう。
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