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ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集 (新潮文庫)
 
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ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集 (新潮文庫) [文庫]

筒井 康隆
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

見知らぬ夜の街で、若い裸の美女に導かれて奇妙な洞窟の温泉を滑り落ちる「エロチック街道」。九度死んで生きる虫の、いや増す死の恐怖を描いた「九死虫」。海のなかに建つ巨大な家で、水浸しの縁側を少年が漂流する「家」。乳白色に厚く張りめぐらされたヨッパグモの巣を降下する幻想的な川端康成文学賞受賞作「ヨッパ谷への降下」ほか、夢幻の異空間へ読者を誘う魔術的傑作12編。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

筒井 康隆
1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。’60年、弟3人とSF同人誌「NULL」を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が「宝石」に転載される。’65年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。’81年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、’87年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、’89(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、’92年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。’97年、パゾリーニ賞受賞。’96年12月、3年3ヵ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 298ページ
  • 出版社: 新潮社 (2005/12)
  • ISBN-10: 4101171483
  • ISBN-13: 978-4101171487
  • 発売日: 2005/12
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 竹の梯子 VINE™ メンバー
形式:文庫
ファンタジー全般に言える事なのかはわからないけれど、本作を読んでいると、意識せずとも情景が浮かび上がってくる。それが仄かになつかしい気配を孕んでいるのだ。見たことも聞いたこともないのに郷愁をそそる。朱川湊人の一連の著作に通じるものがあるけれど、あれらは明確な時代設定があるから本書とはちょっと違う。潜在的な元風景みたいなものを喚起されられるということだろうか。「家」という短篇がある。途方もなく未来の話のはずなのに、民話的昔話を読んでいるような。リアルな描写なのに夢心地になる。ファンタジーと夢はすごく密接につながっているのだろうか。だからノスタルジー? SFとは歯ざわりが異なる、こそばゆいようなやさしさに満ちた短篇集である。
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
久々に筒井康隆を読んだ。

その相変わらずのストーリーテリングに思わず笑みがこぼれた。

ほとんどの小説にいわゆる落ちがない。

読者はまず、ありえない世界へいきなり放り込まれる。

その世界のしくみがおぼろげながらわかったと思った瞬間

小説は終わる。

はっきりいって途方にくれる。

それぞれの短編が終わったらすぐに

あとがきの解説でタイトルを必死に探す。

当然たいしたことは書いていない。

答えがないからこそ

頭の中でその世界が自分の心象風景として

ずっと引っかかりつづける。

最後に気付く。

またしても筒井康隆にしてやられたと。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
なぜ筒井康隆が「川端康成文学賞」なのか。

答えはこの表題作に込められていると思う。

家々の隅に二層、三層もの巣を張るヨッパ蜘蛛。たいていの家屋にこの蜘蛛が棲んでいるという不思議な村。素封家の息子が、「ご飯の中に社会が見えます」という世にも不思議な女を嫁を迎えたことから話は始まる。

……いわゆるオチはない。ヨッパ谷に夫婦が落ちること以外、これといった展開もない。しかし無駄のない引き締まった文章で語られる短い物語に、夢幻の境地に誘い込まれる。

筒井康隆によると、この短編は、「夜明けに見た夢をそのまま書いた」のだそうです。

スーパーエディター、安原顕は、筒井氏を「へっぽこSF作家」と呼んでいたが、実はこれを読んでいなかったんじゃないかな。
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