前々作の後、ゲイリー・ライトを欠き解散したスプーキーは、オリジナルメンバー3人にゲストを加えてTheLastPuffを発表。しかし、そこでも行き詰まり2度目の解散。この盤は、ソロで活動していたゲイリー・ライトとマイク・ハリスンが再会し、再々結成されたもので、やはりスプーキーは、ふたりの双頭バンドであることを認識してしまいます。
ギターのミック・ジョーンズはゲイリー・ライトのバックバンドからの起用です。作品は、スプーキー史上最もヘビーかつ劇的なCottonGrowingManで幕を開けます。ミックのファズ・ギターがグループに新しい活力をもたらしています。以下、よくこれだけ英国臭い曲が書けるな、と唸らざるを得ない曲の連発。無駄な曲はひとつもありません。スプーキーの不思議なところは、米国での活動歴が相当長く、アメリカ南部の影響が強いのに、できてくるのは翳りのある曲ばかりなところです。ブリティッシュ・ファンからすると実にしっくりくる音です。 Self Seeking Manから続く3曲は、この作品の白眉とも言える、敬虔さがあふれる作風です。
タイトルの「あなたが悲しませたから…顎をへし折ってやりました」は、彼らがプロモーションのために考えついたジョークです。ジャケットを開くと、ダメおやじに出てくる「鬼ババ」みたいなおばさんが、男を叩きのめしている絵が書いてあり、笑えます。(描いているのはビートルズ「リボルバー」のクラウス・ブアマン)