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ユーロ危機と超円高恐慌 (日経プレミアシリーズ)
 
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ユーロ危機と超円高恐慌 (日経プレミアシリーズ) [新書]

岩田 規久男
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ギリシャから始まったユーロ危機が世界経済を激しく揺さぶる。このままでは、超円高に苦しむ日本経済が、取り返しのつかない恐慌を迎えてしまう。その前に出来ることは何か。豊富なデータから日本を救う道を提言する。

内容(「BOOK」データベースより)

二つの大戦の教訓を、ユーロによる欧州統合の夢に生かそうとした独仏。しかし発足時から抱えていた根本的矛盾が今、ユーロに噴き出している。ギリシャから始まった危機はドルと円を揺さぶり、日本を「失われた20年」の困窮に陥れている。そこからの脱出策を多くの実証データで提言する。

登録情報

  • 新書: 220ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/12/23)
  • ISBN-10: 453226149X
  • ISBN-13: 978-4532261498
  • 発売日: 2011/12/23
  • 商品の寸法: 18 x 11.1 x 1.9 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
尤もな意見 2012/1/5
Amazonが確認した購入
この人の日銀批判を追いかけているが、やはり、この人の意見は正しいと思う。

経済を学び、経済界に身を置く立場として、論理に違和感なく、また、物価変動国債と国債の利回差から予想インフレ率を計算して、デフレの影響を実証的に検証、分かりやすく説明しているのが良い。またデフレの影響を各経済主体別に、具体的に説明している点も非常に分かり易い。

ユーロに関しては、元々財政金融政策を一体運営できない事の難しさを、過去から唱えてきた学者はおり、それほどの目新しさはない。

経済学では、実質を重視するが、実際の経済界に身を置いていると、殆どの経済主体は、名目ベースで、予測して行動するという事を考えても、やはりこの人の議論は筋が通ると思う。

一般的なファイナンス論から考えても、投資判断の際に、名目金利が仮に2%のマイナスだと、現在の100万円は、来年には約98万円になる訳で、NPVの考え方もなりたたなくなり、現金をそのまま持っておけば価値があがるというあり得ない結論に達してしまっているのが、日本の現実。

名目成長率がマイナスの国に投資する経済主体は少ない。
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書では欧州危機の今後について恐ろしい予測が述べられている。

経済学では「最適通貨圏」という理論がある。
この理論によれば、労働や資本といった生産要素が比較的少ない費用で移動できる範囲が、共通の通貨を使用すべき範囲になる。
しかし著者によれば、現行のユーロ17か国はその範囲ではないという(最適通貨圏の範囲は、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの5ヶ国だという)。その理由は、欧州各国内でユーロ発足後も移民(=労働)が増えていないからだ。
そうだとすれば、財政条件の悪い国を財政条件の良い国が支援することが可能な仕組みを構築するしかない。
しかし、今回のような緊急時だけでなく、平常時から多国間で所得を再分配をするような仕組みを作ることについて、財政条件のよいドイツ、フランス、オランダ等が納得するであろうか。

著者は今回の欧州危機については、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和し、目標インフレ率を4%に設定するという解決策を示している。
しかし上記の根本的な問題点から示唆されるのは、著者は明言しているわけではないが、たとえ今回の危機を乗り切ったとしても、やがてユーロは崩壊するだろうということである。

それ以外にも、リーマン・ショックによって世界的な信用収縮が起こり、各国が景気回復のため大量の国債を発行したことが今回の欧州危機につながったことや、危機に際しての欧州の対応について分かりやすく解説されている。
後半の日本の不景気は日銀のデフレ容認政策のせいであるとする点は、著者の前作「デフレと超円高」(講談社現代新書)等で述べられた持論の繰り返しになるが、星を減らす理由とはならない。

欧州危機と無関係ではいられない日本のビジネス・パーソンにとって必読の1冊と言える。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
岩田規久男(1942−)さんは学習院大学経済学部教授、専門は金融、都市経済学、日本経済論。

金融システムの絡み合いを数理・統計的に解析して解説するといういつもの著作スタイルで、個人的には現代経済を語る上で、軸足が金融システムにあるということのアドバンテージを改めて如実に感じることが出来る内容でした。
それはとりもなおさず、世界における日本の経済を語るにおいても日本からフィルターを通して見えるところだけの判断では何も見えてこないという当たり前の事実(でありながらそう出来ていないにもかかわらず、それを自覚できていない人がなんと多いことか)の重さを感じることだといえます。
前半は一昨年からのユーロ危機のメカニズムについて、後半はリーマンショック後の日銀の無策についての話、全編通して通奏低音的にアメリカFRBの金融経済政策の思想・理論の精度の高さについて語られています。
 インフレ誘導論については、人のモチベーションと減価償却・エントロピーの増大を抑えるために必須であると言うようなアバウトな納得の仕方を個人的にはしました。後半のこの20年の日銀の無策に対する強い怨念は、納得しつつももう少し冷静に語れなかったかという思いはなきにしもあらず。
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