それだけ事態の進展が早い、ということなのですが、
それは、
この本で「高リスク国/中リスク国/低リスク国」という分類が、
出版当時でさえ、既に実態(or市場感覚)に即していなかった、
ということに一因があるように感じます。
特にイタリアとスペインは、その置かれている状況の差異はあっても、
どちらかに深い影響が及んだ時点で、ユーロ危機の深化になる、と
欧州では見られていました。
またベルギーは、スペイン同様財務面の脆弱な銀行を持ち、またイタリア
にも見られる政治の不安定性を持つ、という意味では、常にこの両国の
参考的な存在と見られてきた部分があろうかと思います。
この3国を、
「高リスク国予備軍」と整理しておくことが、
半年経っても色あせぬないように欠かせなかったように思います。
なぜ6月の脱稿時点で、そういった整理をされていなかったのか、
やや不思議な感がありますし、
また同様に、現在の欧州危機は、
各国のファンダメンタルズによるリスク分類ではなく、
ユーロゾーン全体に及ぼす負の影響、という側面からの
リスク分類がなされるべきだったのではないか、と感じ
ます。
そしてこの「欧州全体に及ぼす負の影響」の側面からは、
各国もしくは欧州全体としての政治的リーダーシップが
重要なファクターとなるところです。
このリーダーシップに対する市場からの懸念が、
まさに現下の危機深化を形作っているものと難じます。
「何年かかってでも、しっかり財政・経済問題を処理して
くれるよね」という、安心感の欠如こそが、
各国を襲ったソブリンリスクの源ではないでしょうか。
もし今後、
日本国債にもしこの種の問題が飛び火するとすれば、
理由は同じことと思います。
(振り返ると、あえてこういったポイントを外す作りと
されたのかな? という気も少々・・・)